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敵地の罵声に「シーッ!」全米を驚かせた富永啓生の肝っ玉…NBAドラフト予想に名前はないが、米識者の評価は?「トミナガは小柄すぎる。ただ…」
posted2024/01/24 11:03
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Getty Images
敵地の大ブーイングにも動じず、軽々とフリースローを決める富永啓生の姿が印象的だった。
1月17日、ニュージャージーで行われたラトガース大対ネブラスカ大戦。後半も残り約15分となった頃、フリースローラインに立ったネブラスカ大のエース、富永に盛大な罵声が浴びせられたのだ。
昨季最後の10試合では平均19.4得点、3P成功率44.9%を挙げた活躍などで、富永の名前はすでにカレッジバスケ界で知れ渡った感がある。加えてこの日の前半、3Pを決めた際、富永は熱狂的なファンが応援するスタンドに向かって「シーッ!(静かにしろ)」と手を口にやるポーズで煽ってみせた。おかげで断然の“ヒール”となった22歳の日本人シューターには、執拗なブーイングが送られたのだ。
大金星に貢献、全米のニュースに
騒然とした雰囲気の中でも、何事もなかったかのように力を出せるのが富永らしさでもある。2本のフリースローを当然のように沈め、この日も16得点。ネブラスカ大は延長戦の末に敗れたものの、富永の得点力はやはり際立っていた。
「もちろんまだまだやっていかなければいけないところはたくさんあります。ただ、シーズンの序盤に少しケガをした後、体力的な部分を戻しつつ、最近はいつも通りのバスケットができるようになっています。もっともっとアグレッシブにやっていけたらいいかなと思います」
試合後の本人のそんな言葉通り、カレッジ最後のシーズンでの富永は生き生きと躍動している印象がある。1月20日まで6試合連続で少なくとも13得点以上を挙げ、今季は開幕から19戦中14勝と好調のネブラスカ大を牽引している。
特に1月9日には、全米ランキング1位だったパデュー大を撃破する大金星を挙げた。その日も5本の3Pを沈め、ゲーム最多の19得点をマークした富永の活躍は全米的なニュースとなった。