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新名人・藤井聡太七冠を羽生善治52歳、谷川浩司61歳ら“永世名人資格の大棋士”はどう見てる?「子供に大きな夢を」「強さの源は…」 

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posted2023/06/05 17:02

新名人・藤井聡太七冠を羽生善治52歳、谷川浩司61歳ら“永世名人資格の大棋士”はどう見てる?「子供に大きな夢を」「強さの源は…」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

藤井聡太七冠は、新名人となった余韻に浸る間もなくすでに新たな対局に挑んでいる

〈記録というのはそれに相応しい人が持つべき、と考えるようになりました。40年前の言葉をもう一度使わせて頂くと、中原十六世名人からお預かりした最年少名人の記録を、無事、藤井新名人にお渡しできた、という心境です。名人獲得と七冠達成を心よりお慶び申し上げます〉

鉄板流・森内俊之が語る“すごく高い比率”とは

<名言2>
いろんな人の将棋を見ていると、月に何局かすごいなって思う将棋があって、そこに藤井聡太さんの将棋が入ってくる比率がすごく高いです。
(森内俊之/Number1018号 2021年1月7日発売)

◇解説◇
 2023年、「永世名人」の資格を有している現役棋士は3人いる。22年5月に十七世名人を襲位した谷川(名人通算5期)、通算9期の羽生善治九段(52/十九世名人資格)、そして通算8期の森内俊之九段(52/十八世名人資格)だ。

 森内はいわゆる「羽生世代」トップランナーの1人で、羽生と同じ1970年生まれである。幼少期から羽生と相まみえ、奨励会も羽生、佐藤康光九段、郷田真隆九段とともに“同期入会”となった一方で、初の七大タイトル獲得は羽生が20歳の1989年だったのに対して、森内は31歳となった2002年の名人戦だった。しかし「鉄板流」とも評される鉄壁の防御力を磨き上げ、2000年代から2010年代にかけて「羽生-森内」は将棋界のゴールデンカードと評された。

若い藤井さんが飛躍的に伸びていくのも見えています

 そんな森内も、藤井と3回にわたって盤を挟んでいる。話題になったのは2017年9月のNHK杯だ。この年、藤井はデビューから公式戦29連勝の最多連勝記録を更新するなど話題の人となっていた中で、森内との対局が異例の生放送で行われたのは、当時の注目度の高さを象徴する出来事と言える。

 そんな森内はコロナ禍の時期からAI研究を始めたという。「名人のときより、明らかに将棋の理解度が上がっていると思います」との語り口には、今もなお将棋への好奇心が溢れている。さらに“今後の藤井将棋”についてもこう語っていた。

「若い藤井さんが飛躍的に伸びていくのも見えています。ここから200点とかなら一緒に上がっていける人もいるでしょうけど、400とか500とか伸ばしてこられると相当大変です。現実的にはAIの精度が上がり、研究時間がたくさん取れる、これから出てくる若い人たちが藤井さんのライバルになる可能性はあるかなと思いますね」

【次ページ】 だいぶ離れてますけど、まあまあ頑張って…

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