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新名人・藤井聡太七冠を羽生善治52歳、谷川浩司61歳ら“永世名人資格の大棋士”はどう見てる?「子供に大きな夢を」「強さの源は…」

posted2023/06/05 17:02

 
新名人・藤井聡太七冠を羽生善治52歳、谷川浩司61歳ら“永世名人資格の大棋士”はどう見てる?「子供に大きな夢を」「強さの源は…」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

藤井聡太七冠は、新名人となった余韻に浸る間もなくすでに新たな対局に挑んでいる

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NumberWeb編集部

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Keiji Ishikawa

 新名人となった藤井聡太七冠の戦いはすでに再開しています。そんな稀代の天才について、谷川浩司十七世名人、そして永世名人資格保有者の森内俊之九段と羽生善治九段はどう見ているのか。雑誌「Sports Graphic Number」「NumberWeb」に掲載された「藤井将棋評」や写真を紹介します。

<名言1>
藤井聡太さんの強さの源は、答えが出ない局面を前にいつまでも考え続けられる力だと思います。
(谷川浩司/NumberWeb 2023年2月26日配信)

https://number.bunshun.jp/articles/-/856563

◇解説◇
 藤井聡太新名人(20=竜王・王位・叡王・棋王・王将・棋聖と合わせて七冠)が七冠保持者となって初のタイトル戦は、自身にとって初となる海外対局――6月5日にベトナム・ダナンで開幕した第94期ヒューリック杯棋聖戦、挑戦者の佐々木大地七段との第1局はダナン三日月で、角換わり腰掛け銀の戦型で進んでいる。

 渡辺明前名人との名人戦第5局を戦い終え、一夜明け会見に臨んだのは6月2日。そこから3日にはベトナムの地へと旅立った。藤井名人は「棋聖戦と王位戦の防衛戦に挑むことになります。佐々木大地七段が相手で、本当にとても強い相手と思っているので、こちらもしっかりと準備して、いい内容の将棋にできるように頑張りたいと思っています」と名人獲得直後のインタビューで語ったように、すでに新たな対局に意識を向けている。

藤井さんの将棋を語るには、2年以上の前の対局では…

 永世名人の資格を持つ偉大な名棋士も、これまで「Number」に興味深い藤井将棋評を残してきた。2023年2月、羽生善治九段との王将戦が行なわれている際に取材に応じてくれた谷川浩司十七世名人(61)もその1人だ。

 2020年9月9日、谷川は藤井聡太とB級2組順位戦で対局した。当時について聞くと「藤井さんの将棋を語るには、2年以上前の対局では情報が古過ぎますから」と謙遜したのは、藤井将棋が日進月歩の勢いで伸びを見せているという感覚があるからだろう。

 相手玉にハイスピードで迫ることから「光速の寄せ」と評される鋭い棋風、さらに藤井が更新するまで「21歳2カ月8日」という最年少名人記録を保持し、通算27期のタイトル数も歴代5位と、昭和から平成の時代に天才的な力を見せた大棋士であることは言うに及ばずである。

〈お預かりした最年少名人の記録を…〉

「藤井さんに(最年少名人記録を)抜かれるのなら、むしろ光栄なことと考えています」

「将棋の強さはもちろんですが、関係各所への気配りができるところも含めていまや完璧な存在。そして、まだまだ成長を続けているすごい人です」

 このように話していた谷川。藤井新名人誕生となり、日本将棋連盟を通じて発信された祝福コメントもまた、味わい深いものだった。

【次ページ】 鉄板流・森内俊之が語る“すごく高い比率”とは

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