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WBCは「3月開催」がベストなのか? 「7月開催」「11月開催」も候補に…MLBコミッショナーは「パーフェクトな時期はない」 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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posted2023/05/07 11:01

WBCは「3月開催」がベストなのか? 「7月開催」「11月開催」も候補に…MLBコミッショナーは「パーフェクトな時期はない」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

出場した選手によっては、シーズンに影響が出ている「3月開催」。コミッショナーは「3月がベスト」と明言するが…

11月開催は多くの選手がダウン?

 ワールドシリーズ終了後の11月開催にしても、気候が温暖な地や屋根付きのスタジアムで実施すれば可能だろう。もっとも、162試合とポストシーズンの激戦を終えた後の大会で、各選手のモチベーションを維持することは限りなく不可能に近い。マンフレッド氏も「プレーオフ後は実際には無理だろう。多くの選手がダウンしているから」と、否定的な見解を残した。

「確かにパーフェクトではないだろうが、私はバランスだと思う。おそらく、これが正しい位置だろう」と、現状の3月開催が最善の選択であるとの考えを変えていない。

不透明感と広がった可能性

 今大会では、当初、準決勝での対戦が見込まれていた「日本―米国」の組み合わせが、直前になって変更されるなど不透明感が残り、さらにグループ分けの公平性が欠けていると指摘する声も聞かれた。主催国の米国と多くの企業がスポンサーとなっている日本の決勝戦は、興行的にもベストのシナリオだった一方で、運営方法をはじめ多くの改善点を浮き彫りにした事実も見逃せない。

 その一方で、チェコ共和国や英国など、これまで本大会とは無縁だった国が注目を集めるなど、野球界全体に明るい話題も広がった。日本代表ラーズ・ヌートバー外野手、韓国代表トミー・エドマン内野手(ともにカージナルス)が出生国以外の代表として出場したことで国外の野球についても関心がより一層高まるなど、エントリー資格の規定を含め、底辺拡大へのヒントは、随所にちりばめられていた。

 2006年の第1回大会から17年。

 様々な試行錯誤を経て、ここまで発展してきたことを順調と見るべきか。

 少しずつでも問題点が改良され、前へ進んで行く方向性を維持できるとすれば、WBCと野球界の未来へ向けて、明るい材料は少なくない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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#ロブ・マンフレッド
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#トミー・エドマン

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