メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
アメリカの“野球離れ”に異変…WBC効果でメジャー視聴者数10%増、4月なのに球場の熱気が…米記者「日本対メキシコの準決勝で考えが変わった」
posted2023/04/22 11:00
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
Getty Images
米国では意外にも、いまだにWBCの話題がスポーツメディアで頻繁に取り上げられている。日本でも侍戦士はスポットライトを浴びることが多いが、米国も日本に負けないくらい、いや、もしかしたら日本以上というくらい、WBCの話題を耳にする。スポーツテレビやラジオ、ポッドキャストやネット記事、あらゆるメディアでWBCはまだ終わっていないかのようだ。
メジャー開幕後も…米で減らないWBC報道
エンゼルスのマイク・トラウト外野手が米野球専門テレビ局MLBネットワークで、3月のWBCを振り返っていた。開幕からすでに3週間が経った4月19日、「ベースボール・トゥナイト」という情報番組でのことだ。
「信じられない体験だった。あんな感覚、初めてだった。スタンドのファンの声がとてつもなく大きくて、最高の雰囲気で……。決勝戦では僕が星条旗、ショウヘイが日の丸を持って入場したけれど、あれは本当に、特別な瞬間だった」
米国代表の主将としてチームを決勝まで導いたトラウトの言葉には、熱がこもっていた。
MLBの試合を中継しているテレビ局バリー・スポーツでも、4月13日の情報番組に米スポーツメディア「ジ・アスレチック」のブリット・ジロリー記者が出演し、WBCの盛り上がりについて語っていた。
「多くの人にとって、WBCはワールドシリーズと同じくらい大きな意味のあるものなんです。私自身は最初、そこまでの感覚は持っていませんでしたが、日本対メキシコの準決勝の熱気に満ちた雰囲気を体験して考えが変わりました。マイアミでは1次ラウンドも含めて15試合が行われましたが、そのうち11試合は入場券完売という人気。ショウヘイ・オオタニとマイク・トラウトが優勝をかけて敵として対戦する試合は、ファンを惹きつけます。MLBにとってこれ以上最高のイベントはないでしょう」