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まるで教授? “アインシュタイン好き”ロッテ吉井監督のミーティングがスゴい「常識は偏見のコレクション」ダル&大谷&朗希の共通点も
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2023/02/04 11:02
春季キャンプを前に全体ミーティングを行ったロッテ吉井監督。スローガンを発表しながら選手に「自己決定」の大切さを説いた
キャンプが始まる前の1月23日、1回目で出された意見をもとに再度ミーティングを開いた。まず、2月の期間で何を取り組むか。最初のミーティングで「見える化」をしていたことでそれぞれの頭の中はより整理されていた。会議はスムーズに進み、方向性が決まった。
ZOZOマリンスタジアムの監督室のホワイトボードには自分への戒めのように『自己決定を尊重!』と書かれている。
しっかりと観察をする。選手たちが自分たちで考え、その考えを口にしてもらい、最後、考え抜いた自己決定を尊重する。コミュニケーションをたくさんとり、沢山の質問を受ける中で選手自身が最終的には結論を出していけるように導いていく。選手たちのモチベーションを上げる環境作りを考え、実践をしていこうとしている。それが吉井流。これはコーチ陣も同じだ。コーチそれぞれが考え、導き出した答えを尊重しながら戦っていく決意だ。
「自分の現役時代もそうだったけど、周りからやれと言われてやったことよりも、自分でいろいろと考えてやったことの方がうまくいった。そこは大事かなと思っている。あと、まずは、できることをする。できないことを無理してするのは一番ダメ。だから、自分になにが出来るか。長所はなにか。しっかりと自分と向き合って考えて欲しい。自分を知って欲しい」
「経験学習モデル」とは?
そしてもう1つ、ホワイトボードには『経験学習モデル』とも書かれている。
これもビジネスパーソンの間で行われている学習方法の1つだ。「具体的経験をする」→「内省する」→「教訓を引き出し概念化と抽象化をする」→「実践」。このサイクルはビジネスの世界はもちろんプロ野球においても大事で、より積極的に採用をしようと考えている。
最近はスポーツでの成功事例がビジネスで取り入れられることが多いが、当然、その逆もある。冒頭で紹介したように、吉井監督はビジネスシーンから良い事例を見つけ、取り入れてみようと考える。さまざまなジャンルにもアンテナを張り巡らし、そして試す。だから、選手たちにも同じようにチャレンジすることの大事さを説くのだ。