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まるで教授? “アインシュタイン好き”ロッテ吉井監督のミーティングがスゴい「常識は偏見のコレクション」ダル&大谷&朗希の共通点も
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2023/02/04 11:02
春季キャンプを前に全体ミーティングを行ったロッテ吉井監督。スローガンを発表しながら選手に「自己決定」の大切さを説いた
そんな吉井マリーンズのチームスローガンも、らしいものとなった。
『今日をチャンスに変える。』
この言葉には色々な意味が込められている。今の自分を考え、毎日何ができるかを考え、それをチャンスに変えて欲しいという吉井監督の想いも含まれている。ただ、指揮官はあえてスローガンに込められた想いを細かく提示しなかった。
スローガン発表のリリースコメントにこんな言葉を添えている。
「人それぞれの捉え方、色々な意味があると考えている。チャンスという言葉にも色々な意味があり、必ずしも好機だけがチャンスの意味ではない。失敗だってチャンスに繋がっている。選手たちそれぞれが、それぞれの立場でこのスローガンの意味を解釈して取り組んで欲しい」
キャンプ前のミーティングの場でも、選手たちにスローガンの意味についてディスカッションをしてもらった。
「毎日がチャンスだと思ってポジティブに毎日取り組むこと」
「今日プレーをする機会をしっかりものにできるように」
「日々、新しい日が来るので新たな自分を毎日だせるようにすること」
色々な解釈があった。その一つ一つに耳を傾けながら若い選手たちにやさしく微笑みかけた。しかし、吉井監督はほほ笑むだけでそれ以上は何も言わない。すべての解釈が正しい。それぞれが自分たちで考えて、感じ取ったことのすべてが正解。何事もすぐに正解を求めたくなる現代社会において、世の中には必ずしも正解があるものではなく、それぞれが必死に導き出した答えを信じて取り組んで欲しいとのメッセージでもあった。
指導に正解はない「アップデートしないと」
08年から12年まで北海道日本ハムファイターズで、15年は福岡ソフトバンクホークス、16年から再びファイターズの投手コーチを務め、19年からマリーンズで指導にあたってきた。ただ、指導者においてはまだ道半ば。まだまだ知らない指導方法はたくさんある。興味のあるアプローチがある。それらを積極的に取り入れ、マリーンズを新しい形の「常勝軍団」といわれる魅力的なチームにしたいと考えている。
「つねに指導に正解はなく、アップデートをしていかないといけない。ノートにメモしながら、日々、指導について考えている。なにかもっといいアプローチはないかとね。最近はスポーツ心理学の先生が話されていた意識の話が気になっている。無意識の意識。人には無意識のうちにいろいろなバイアスがかかる。偏見というか、思い込み。それで行動が偏ったりする。まだ勉強中のことで自分の中で整理できていない話なのだけど、すごく興味をもっている」
2月1日、石垣島で吉井マリーンズが始動した。主体性を重んじる新しいタイプの集団が、プロ野球界に新風を吹き込む。
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