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まるで教授? “アインシュタイン好き”ロッテ吉井監督のミーティングがスゴい「常識は偏見のコレクション」ダル&大谷&朗希の共通点も
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2023/02/04 11:02
春季キャンプを前に全体ミーティングを行ったロッテ吉井監督。スローガンを発表しながら選手に「自己決定」の大切さを説いた
1月31日。石垣島春季キャンプを前にした全体的ミーティングも特徴的だった。
「興味をもってもらえるミーティングにしたいと思っていた」と振り返った吉井監督は時折、ユーモアを交えながら話を展開した。
全体ミーティングでは、ノーベル物理学を受賞したアルベルト・アインシュタインの言葉を2回も引用した。いずれも『経験学習モデル』の大事さを説明するうえで分かりやすく伝えるための手法と言えた。
(1)“常識”とは18歳までに身につけた偏見のコレクションの事を言う
吉井監督は、次のように補足した。
「皆さんは常識にとらわれずにやって欲しい。突拍子もないことから、とんでもない事を閃くことがある。失敗をおそれず、積極的にトライしてください」
(2)何かを学ぶのに、自分自身で経験する以上に良い方法はない。間違いを犯したことのない人とは、なにも新しいことをしていない人だ
こちらも失敗を恐れずに挑戦をすることを伝えている。
吉井監督がアインシュタインの言葉に出会ったのは、中学生ぐらいの時。当時は理科が好きな少年だった、と過ぎ去りし日を振り返って笑った。
「アインシュタインとジョン・レノンが好き。たぶん中学生だったと思うけど、たまたま、アインシュタインの言葉をみかけた。『こんなんあるんや!』と思ったね。好奇心を持ちなさいと訴えかけてくれているようだった。当時の吉井少年の心にはすごく引っ掛かった」
月日は流れ、髪はすっかり白くなった。58歳になる2023年は、前年5位に沈んだマリーンズを指揮する立場。選手全員を集めての最初のミーティングで、少年だった頃に一番、心に残っているアインシュタインの文言を選手たちに伝える言葉として選んだ。中学時代から繋がった不思議な縁に感謝した。
ダルビッシュ、大谷、朗希の共通点
さらにファイターズのコーチ時代に共に戦い、世界で羽ばたいていった投手2人とマリーンズで注目を集める若き右腕の名前を出して、選手たちに発破をかけた。
「常識に凝り固まるとあまり伸びない。好奇心がある子の方がやっぱりうまくなっていく。ダルビッシュ(有)も、大谷翔平もそうだし、今の佐々木朗希もそう」