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箱根駅伝“まさかのシード落ち”から1年…6位・早稲田大はいかに復活したのか? 監督のリアルな本音「他大学に比べて資金的な面できつい」 

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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photograph byYuki Suenaga

posted2023/01/11 17:04

箱根駅伝“まさかのシード落ち”から1年…6位・早稲田大はいかに復活したのか? 監督のリアルな本音「他大学に比べて資金的な面できつい」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

総合6位でのフィニッシュとなった早稲田大学10区の菅野雄太

「前年まで相楽君(豊、チーム戦略アドバイザー)がしっかりスピードを強化してくれて、私はそこにスタミナ練習を合わせるだけでした。今季は、それらがすごくマッチしました。

 でも、逆に言えば、箱根で優勝争いをするためには、その両方を1年間のうちにやれるようなチームにならなきゃいけない。選手たちは、私が立てたメニューを頑張ってしっかりやれたと思いますけど、そのメニュー自体が優勝争いをするようなメニューではなかった。

 そういう意味でも、いっそう選手たちの努力は必要ですし、我々もしっかり選手をサポートできる体制を作っていきたい。他大学も非常に強いので、すぐには上にいけないと思いますが、来年度は1つ2つ上の目標を立てて、1年間取り組んでいければと思います」

監督の本音「他大学に比べて資金的な面できつい…」

 花田監督もさっそく目線を上げている。

 次なる課題の1つにはエース力の育成がある。

 今回、箱根のエース区間2区は、石塚陽士(2年)が区間10位とまずまずの走りでしのいだが、先頭争いを繰り広げた吉居大和(中央大)、田澤廉(駒澤大)、近藤幸太郎(青山学院大)といった学生長距離界を代表する選手には大きな差を付けられた。

 エース力の育成という課題克服のために、新たな策を立てている。それは、クラウドファンディングで資金を募り、トップレベルの選手を海外に遠征させるというプランだ。

「私も、大学4年生の時に、渡辺君(康幸、現住友電工監督)の練習パートナーとして、瀬古さんに海外遠征に連れていってもらいました。それで海外のレースを転戦して、一気に自分の殻を破ることができました。

 他大学に比べて資金的な面できついところがあるので、応援してくださる方の力を借りながら、これからの選手たちにも、そういう経験をさせたいと思っています」

 過去に遡れば、花田監督が大学に入学した頃も、早稲田は予選会を行ったり来たりしていたチームだった。そこから一気に力を付けて、3年時には総合優勝を果たしている。花田監督の頭の中には、当時と同じように、チームが一段ずつステップアップしていくイメージがあるのだろう。そして、近い将来、箱根の頂点に立つ。

「推薦組は、4年間で力を付けて“区間一桁”ではなく“区間賞を取って当たり前”というエース格に育ってほしい。それにプラスして、伊福や菅野のような一般組が、区間5番以内でまとめられる力を付けてくれば、優勝争いができるかなと思います」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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