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「三笘薫の存在にドイツが混乱」「逆転してからも…」W杯逆転劇の要因を三都主アレサンドロが解説「コスタリカ戦こそ日本の対応力が」
posted2022/11/25 11:30
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
「素晴らしい勝利だったね。僕も興奮しているよ」
ワールドカップ(W杯)カタール大会のグループステージ(GS)初戦、日本対ドイツの激闘を、ブラジル在住だが現在はイベント出演などのため日本滞在中の元日本代表左SB三都主アレサンドロ(2002年大会、2006年大会出場)にテレビ観戦してもらい、感想を聞いた。
前半を1失点で終えられたのはラッキーと言うべき
――まず、前半の印象を。
「ドイツは、攻守両面で組織的にプレーし、個人能力も非常に高い。バイエルン・ミュンヘンの選手が多く、連係面でも優れている。
日本は、試合の入りは悪くなかったが、10分頃から中盤をイルカイ・ギュンドアン、ヨシュア・キミッヒらに支配され、左のジャマル・ムシアラ、右のセルジュ・ニャブリを自由にプレーさせてしまった。
このため鎌田大地、久保建英らアタッカーも守備に追われる時間が長くなり、またせっかくボールを奪っても落ち着いてパスをつなぐことができなかった。中盤の守備のやり方を修正すべきだったが、それができなかった」
――前半31分にPKを献上した場面を解説してください。
「右からクロスが入った際、伊東純也と酒井宏樹が2人ともムシアラのマークに行き、左SBのダビド・ラウムをフリーにしてしまった。そのことが、GK権田修一のファウルとPKを招いた」
――その後も、ピンチの連続でした。
「2点目を取られていても、全くおかしくなかった。前半を1失点で終えることができたのはラッキーと言うべきだろうね」
――森保一監督は、後半開始時に久保を下げて冨安健洋を入れ、フォーメーションを3バック(※4-2-3-1から3-4-2-1)へ変更しました。
「最終ラインの人数を増やして守備の安定を図ると同時に、両SBを押し上げて攻めるのが狙いだったと思う。
後半も危ない場面が何度かあったが、前半と違ったのはボールを奪ってからパスをつなげるようになったこと。その分、守備をする時間を減らすことができて失点のリスクも軽減できた。そして、森保監督は後半途中からアタッカーを次々に投入し、ドイツを押し込んでいった」
三笘が入ったことで攻めが両サイドから…
――ドイツ人選手は、強靭な精神力を持つことで知られています。日本がそのようなドイツを押し込むことができた具体的な理由は?