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「代表が勝つと、ランクルが爆走」専門家に聞いた“カタールってどんな国?”「人口のほとんどは外国人労働者」「中東で一番友達を作りにくい」

posted2022/11/25 11:02

 
「代表が勝つと、ランクルが爆走」専門家に聞いた“カタールってどんな国?”「人口のほとんどは外国人労働者」「中東で一番友達を作りにくい」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

天然資源に恵まれた“中東の小国”カタールとは一体、どのような国なのか。研究者に話を聞いた

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Kiichi Matsumoto/JMPA

 サッカー日本代表が乗り込んだ決戦の地、カタールとは一体どのような国なのか。
 現在好評発売中のNumber1063号「<検証>日本代表の命題」より、特別コラム『カタール研究者が語るカタール』を無料公開します。

気温が40度を超える日も珍しくない

 ペルシャ湾に突き出す「カタール半島」を国土とし、石油や天然ガスの産出国として知られる砂漠の国。近年はサッカー以外にも、陸上や卓球などの国際大会がたびたび開かれているため、その名前を耳にする機会は多いはず。なかでも首都ドーハは、あの「ドーハの悲劇」が起きた舞台としても有名だ。

 とはいえ、日本には馴染みのない中東の一国であるというのも正直なところ。そこで、カタールに詳しい吉川卓郎教授(立命館アジア太平洋大学)に、ガイドブックには載っていない現地の実態について教えてもらった。

 吉川教授は2005年から2年間、在カタール大使館に派遣され、専門調査員として中東政治を研究していた。日本との違いとしてまず挙げられるのは、何よりも暑さだという。

「気温が40度を超える日も珍しくないです。雨はほぼ降らないですが、実は湿気がすごくて一年中蒸し暑い。夏場はサウナみたいです」

国の面積は秋田県とほぼ同じ

 12月から2月にかけては多少暑さも和らぐそうだが、時にはこんな光景を見ることも。

「気温が20度を切ると、暑さに慣れすぎているせいか、めちゃくちゃ寒く感じるんです。私がカタールにいたときも、最高気温が15度を下回ったことがあって。現地には基本的に冬服はないので、そのときはみんな海外旅行で買ったコートや革ジャンを引っ張り出して、白い民族衣装の上に羽織っていました」

 国の面積は秋田県とほぼ同じ。その中で約266万人(2021年)が暮らしている。

「ただ、人口のほとんどは東南アジアや南アジアから来た外国人労働者で、カタール人は30万人ほどしかいません」

一番人気の競技はサッカー

 イスラム教の国であるため飲酒の文化はなく、「カタール料理」のようなオリジナルの食文化も確立されてはいない。

「食事は色々なアラブ料理が混ざっている感じですね。ただ、外国人労働者がすごく多いので、アメリカ系のファストフードもたくさんあって、ケンタッキーやマクドナルド、バーガーキングはどこでも見かけます」

 強烈な暑さゆえに、遊ぶのもスポーツをするのも、基本は夜になってから。そんなインドア生活の中でも、一番人気の競技はやはりサッカーだ。特にカタール代表の試合がある日は、相当な盛り上がりぶりだという。

【次ページ】 サーニー家という大きな部族を中心とした国家

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