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[第1戦 プロフェッショナル解説]大瀬良大地(広島)「ヤクルト打線が“らしさ”発揮で勢い止まらず」
posted2022/11/05 07:12
text by
前原淳Jun Maehara
photograph by
Nanae Suzuki
短期決戦で、初戦が持つ意味は大きい。2018年、ソフトバンクとの日本シリーズ初戦に先発させてもらい、その重みを感じました。先に流れをつかみ、2戦目以降につなげたい。意識したのは、1人目など節目の打者。特に本拠地での試合だったので、先頭打者から真っすぐで三振を奪えば球場の空気が変わると狙っていました(結果は上林から空振り三振)。あとは打線の中軸となる選手に打たれないこと。打たせると個人だけでなく、チームも勢いづく。特に4番打者には、試合を決める1本だけでなく、チャンスメークもさせたくない。
今シリーズ、先に流れをつかんだのは、打線の中核が“らしさ”を発揮したヤクルトでした。1回表、先発小川さんが直球系中心で三者凡退に切った流れを、1番塩見君が勢いづけた。1回裏、オリックス山本君が投じた初球155kmをレフト前へ。彼は特に1打席目の初球、真っすぐに絞る傾向にある。先頭で出塁させると、本当に嫌な選手。足が速いので併殺を取るのが難しく、盗塁もできる。2番山崎君のいやらしさも、余計気になる。シーズン中、塩見君を出すとどうやっても2死二塁となり、4番村上君まで回っていた印象があります。