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乾貴士34歳がマリノス時代の師・水沼貴史と語る“サッカーのウマくなり方”「ホアキンの方が余裕で速いですよ」「今の乾は“円熟味”が」

posted2022/10/07 17:00

 
乾貴士34歳がマリノス時代の師・水沼貴史と語る“サッカーのウマくなり方”「ホアキンの方が余裕で速いですよ」「今の乾は“円熟味”が」<Number Web> photograph by Masashi Hara/Getty Images

清水エスパルスに加入以降、好調を維持するMF乾貴士

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水沼貴史

水沼貴史Takashi Mizunuma

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 今年7月、セレッソ大阪との契約を解除した乾貴士は清水エスパルスに電撃加入。ゼ・リカルド監督の信頼を勝ち取ると、8月27日の第27節京都戦では本拠地アイスタで移籍後初ゴールを決めている。再起を誓う34歳に、横浜F・マリノスでコーチとして指導した水沼貴史がルーキー時代の思い出を振り返りながら現在の心境に迫った(全2回の1回目/#2も)

乾はよく1人で…あれはいい練習だったな

水沼貴史(以下、水沼) マリノスに入団してきた2007年、最初に若手だけで香港遠征に行ったんだけど覚えてる? あの時、1人だけトップチームに残されたことが忘れられなくてね。監督の早野(宏史)さんが「あいつは(試合に)使うから残す」って。

乾貴士(以下、乾) 覚えてますよ。当時のマリノスはすごい人たちばっかりだったので、誰とも喋れないし、ひとりぼっちでした(笑)。

水沼 ひとりぼっちといえば、乾はよく1人で練習していたよね。自分でボールを高く蹴り上げて、トラップして、ダッシュでドリブルを繰り返すやつ。あれはいい練習だったな。

 貴史さんにはよくシュート練習や苦手な左足の特訓にも付き合ってもらいましたよね。

水沼 そう! 左足が苦手だったからか、丁寧にパスを出さないといけない場面でも全部(右足の)アウトサイドを使っていた。

 軽いプレーばっかりしてよく怒られていました(笑)。

水沼 でもね、そこは消しちゃいけない部分でもあると思っていて。だからミニゴールを用意して、パスをそこに入れる練習をしたんだよね。

 懐かしい、やりましたね!

水沼 そういう(アウトサイドを使う)ひらめきは乾しか持っていないアイデアだし、その良さを消したくなかった。でもそれがラスト1/3のゾーンじゃなくて、中盤でやっていたから精度を上げないといけなかったんだ。それが本当の武器になっていくんだからすごいよね。 

「もう34ですよ、貴史さん」「円熟味が出る時期でしょ」

 ありがとうございます。でも今は当時みたいに自主練習することができなくなりましたよ。たまにシュート練をすることはありますが、時間外にトレーニングなんてやってたら無理ですよ。

水沼 なんで無理なの?

【次ページ】 “円熟味”を感じさせる乾のポジショニング

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