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水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
乾貴士34歳がマリノス時代の師・水沼貴史と語る“サッカーのウマくなり方”「ホアキンの方が余裕で速いですよ」「今の乾は“円熟味”が」
posted2022/10/07 17:00
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph by
Masashi Hara/Getty Images
乾はよく1人で…あれはいい練習だったな
水沼貴史(以下、水沼) マリノスに入団してきた2007年、最初に若手だけで香港遠征に行ったんだけど覚えてる? あの時、1人だけトップチームに残されたことが忘れられなくてね。監督の早野(宏史)さんが「あいつは(試合に)使うから残す」って。
乾貴士(以下、乾) 覚えてますよ。当時のマリノスはすごい人たちばっかりだったので、誰とも喋れないし、ひとりぼっちでした(笑)。
水沼 ひとりぼっちといえば、乾はよく1人で練習していたよね。自分でボールを高く蹴り上げて、トラップして、ダッシュでドリブルを繰り返すやつ。あれはいい練習だったな。
乾 貴史さんにはよくシュート練習や苦手な左足の特訓にも付き合ってもらいましたよね。
水沼 そう! 左足が苦手だったからか、丁寧にパスを出さないといけない場面でも全部(右足の)アウトサイドを使っていた。
乾 軽いプレーばっかりしてよく怒られていました(笑)。
水沼 でもね、そこは消しちゃいけない部分でもあると思っていて。だからミニゴールを用意して、パスをそこに入れる練習をしたんだよね。
乾 懐かしい、やりましたね!
水沼 そういう(アウトサイドを使う)ひらめきは乾しか持っていないアイデアだし、その良さを消したくなかった。でもそれがラスト1/3のゾーンじゃなくて、中盤でやっていたから精度を上げないといけなかったんだ。それが本当の武器になっていくんだからすごいよね。
「もう34ですよ、貴史さん」「円熟味が出る時期でしょ」
乾 ありがとうございます。でも今は当時みたいに自主練習することができなくなりましたよ。たまにシュート練をすることはありますが、時間外にトレーニングなんてやってたら無理ですよ。
水沼 なんで無理なの?