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乾貴士34歳がマリノス時代の師・水沼貴史と語る“サッカーのウマくなり方”「ホアキンの方が余裕で速いですよ」「今の乾は“円熟味”が」 

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水沼貴史

水沼貴史Takashi Mizunuma

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photograph byMasashi Hara/Getty Images

posted2022/10/07 17:00

乾貴士34歳がマリノス時代の師・水沼貴史と語る“サッカーのウマくなり方”「ホアキンの方が余裕で速いですよ」「今の乾は“円熟味”が」<Number Web> photograph by Masashi Hara/Getty Images

清水エスパルスに加入以降、好調を維持するMF乾貴士

 体力的に(笑)。試合に出てなかったらやるかもしれないですけど、今は休むことも大事ですから。

水沼 乾も年齢を重ねてきたということか。

 だってもう34ですよ、貴史さん。

水沼 いいじゃない。円熟味が出てくる時期でしょう? 海外でプレーしてきた経験を活かす場でもある。

 もうその時期も過ぎたかもしれません。毎日必死です。難しいですね、サッカーって(笑)

“円熟味”を感じさせる乾のポジショニング

水沼 でも最近のプレーを見ていて“円熟味”が増してきている印象はあるんだよ。特にエスパルスに行ってから、ポジションの取り方が面白いなと見ていて。山原(怜音)なのか片山(瑛一)なのか、自分の後ろの選手によってもポジションを変えているでしょう?

 そうですね。2人は特徴が全然違うので、中にしぼったり、ワイドに開いたり。監督からもそこは要求されるので意識していますね。

水沼 あとさ、逆サイド(右サイド)にボールがあるとき、最終的にフィニッシャーになる場面でもあんまりゴール前に入っていかないよね。あれはどういう意図があるの?

 もう中央には強い選手がいるんで(笑)。自分はジャンプ力があるわけでもないし、ヘディングが下手なので、セカンド(ボール)を拾ったほうがいい。それに今は中央を固めるチームが多いので、外って意外と捨てられてるんですよ。

水沼 確かに京都戦でゴールを決める前にもそういうシーンはあったよね。そういう予測みたいな感覚はこれまでの経験から? 

 エイバルの時から意識していましたね。監督(ホセ・ルイス・メンディリバル)はわかりやすい結果(ゴール)を出さなくても、理想とするプレーをちゃんとしていれば試合に使ってくれる人でしたから。

「給料いらない」エイバル移籍と、ホアキンのすごさ

水沼 そういう意味でもスペイン(エイバル)時代はキャリアを振り返ってもとても充実していた。リーガへの憧れもあっただろうし。

 (当時所属していたフランクフルトに)エイバルからオファーが届いたとき、すぐに行きたいと思いました。でも当時のエイバルは大きなお金を動かしたことがないクラブだったので、設定金額が少なかった。最終的には代理人の方がうまく調整してくれたんですけど、移籍が厳しいとなったときに「給料いらない」「その分を移籍金に使ってください」と伝えたぐらいで(笑)。 

水沼 ベティスへのステップアップも印象深いな。スペインの名門クラブの1つだったからワクワクした。

 エイバルが大好きでしたし、延長オファーもありました。新しい契約が1年だったことを聞くと監督が「イヌイにもっといい契約を」とフロントに掛け合ってくれたり。でもベティスが前年にいいサッカーをしていて、ヨーロッパリーグにも出るチームだったので、もっと上のレベルを見たいと思って移籍しました。

水沼 ベティスではちょっと苦労したよね? 

【次ページ】 セレッソの時に感じていた“葛藤”とは

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