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[名匠が明かす4強の勝算(3)]ダノンベルーガ「知略が生み出す“究極の感動”」
posted2022/05/19 07:01
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小平奈由木Nayuki Kodaira
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常に右トモの不安と闘いながら、大一番から逆算された道を歩んできた。堀調教師をして「想像を超えた」と言わしめた末脚は、府中の直線でこそ。師の言葉には自信が漲っていた。
各馬それぞれの未来図に沿って、プロフェッショナルな仕事を貫いてきた堀宣行廐舎。今年のダービーにはダノンベルーガが参戦する。右トモの不安を越えて人馬一体で臨む大舞台を前に、ここまでの歩みと、ダノンベルーガの力、そして迎える大一番への手応えを堀調教師に訊いた。
──初戦から卓越したパフォーマンスを披露していますが、それにしても、共同通信杯は切れに切れました。皐月賞の前、会見で「想像を超えた走り」と表現していましたが、どういう思いでレースをご覧になっていたのでしょう。
「トモの左右差を考えれば、あの馬場(稍重)ではバランスが取りにくいはずなのに、のびのびと走れ、ラストで究極のスピードを繰り出しました。しかも、ステッキを入れたのは2回。何より驚いたのは、自ら喜んで推進していったあたりです。つねに馬と人との関係性を重視してきたなか、ようやく求めていた理想的な走りを目の当たりにした思い。これまでを振り返っても、あんなに感動を味わったことはありません」
──皐月賞の出走を表明したのは1週前追い切りの後でした。
「新馬戦を勝った時点で、ダービーは意識しましたが、ウイークポイントを抱えていて、晩成を目指して課題をクリアしていく必要があり、数は使えません。それで2戦目に共同通信杯を選択したわけですし、ダービーへ直行する方向でオーナーの理解も得た。とはいえ先入観で可能性を狭めたくはない。一戦を挟んでも、その次まで余力が見込めるのか、状態の把握に努めました」
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