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大谷翔平の“2年連続MVP”は可能でも、サイ・ヤング賞は「あり得ない」? 米国解説者が指摘するカラクリと“投手・大谷”のカギとは 

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ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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posted2022/03/22 17:03

大谷翔平の“2年連続MVP”は可能でも、サイ・ヤング賞は「あり得ない」? 米国解説者が指摘するカラクリと“投手・大谷”のカギとは<Number Web> photograph by Getty Images

今季も投打での活躍が期待される大谷翔平

二年連続MVPの鍵は「投球回数」?

 フルタイムの投手なら「中4日」のローテーションが基本となり、その結果、年間30試合から32試合の「先発」をこなすことが目標となる。そうなれば投球回数も190から200投球回に達することが普通で、それらの数字はサイ・ヤング賞の投票に多少なりとも関わってくる。

 大谷は昨年、中6日以上の先発が17試合、中5日が6試合で、過去最多となる23先発130.1投球回に達した。今年、それらの数字がフルタイムの投手並みに増えることは想像できず、他の数字がよほど突出していない限り、MVPの候補にはなってもサイ・ヤング賞の候補にもならないだろう。

 他の数字を見てみよう。

 大谷のサイ・ヤング賞獲得に望みがあるとすれば、それはたとえば、同賞の近年の投票では、勝ち星があまり考慮されないという部分だろう。

 事実、「現役最高」の呼び超え高いジェイコブ・デグロム(メッツ)は、2018年が10勝、2019年が11勝だったのに、二年連続でナ・リーグの同賞を獲得している。

サイ・ヤング賞候補になるために重要な基準とは?

 サイ・ヤング賞の候補者になるために大事なのは、奪三振、四球などに加え、防御率や奪三振率といった「割り算」で算出される成績であり、デグロムも2018年は防御率がリーグ最高、奪三振が同2位、2019年もリーグ2位の防御率と同1位の奪三振を記録している。

 実はそれらの数字さえ他の投手たちを圧倒していれば、勝ち星だけではなく、先発や投球回数のハードルも多少なりとも低くなる。

 事実、昨年はコルビン・バーンズ(ブルワーズ)が、パンデミックで60試合に大幅削減された2020年を除く過去5年で最少となる28先発167投球回でナ・リーグのサイヤング賞を獲得した。

 それを補ったのはやはり、他の数字で、防御率はナ・リーグ最高、奪三振数はリーグ3位に留まったものの、9回当たりの奪三振率は12.611とリーグ最高だった。

【次ページ】 現地では「MVPは野手から選ぶべきだ」という議論も

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