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大谷翔平の“2年連続MVP”は可能でも、サイ・ヤング賞は「あり得ない」? 米国解説者が指摘するカラクリと“投手・大谷”のカギとは
posted2022/03/22 17:03
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Getty Images
「不可能と可能の違いは、人間の決意にある」――トミー・ラソーダ(殿堂入りの元ドジャース監督)
昨年、メジャーリーガーに与えられる個人としての最高の栄誉、最優秀選手賞=MVPを獲得した大谷翔平選手にとっては、二年連続で同賞を獲得することより、「投手としての最高の栄誉」であるサイ・ヤング賞を獲得する方が遥かに難しい。
「大谷が毎年、2021年のような成績を残したら、彼は毎年、MVPを獲得することになるのか?」
米解説者たちは、大谷のサイ・ヤング賞獲得は「あり得ない」
そう言ったのは、元マリナーズでMLBネットワークのコメンテーターのハロルド・レイノルズだが、彼を含めた米国の解説者の誰一人として、大谷がサイ・ヤング賞を獲得するのはあり得ないことだと考えている。
二年連続MVP獲得が簡単だ、という意味ではないが、「投打二刀流」の評価基準は今後、年々上がっていくことが予想されながらも、「打者単独」でもMVPの有力候補ブラジミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)に匹敵する成績を今後も残すことができるのなら、「投手としても一線級で活躍している」という事実が、今後も投票に大きく影響するはずだからだ。
「2021年の成績でも凄いのに、これ以上、何を望むのか?」と思うけれど、当の本人が昨年のMVPシーズン後、日本のテレビ局のインタビューでこう語っている。
「まあ、今年の数字がやはり、最低じゃないかと思います。今年できたことが来年できないということはなくしたいと個人的に思ってますし、チームとしてもそれは絶対かなと思うので」
彼が一つの目標として掲げている出塁率4割&長打率6割を達成すれば、自ずと打率や他の数字も上がってくるだろうし、二年連続MVP獲得の鍵となるのはやはり、「投手・大谷」の成績ではないかと思う。