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〈順位戦勝率.942〉藤井聡太“史上最年少名人”へA級昇級…「将棋界の横綱に」と語った日、渡辺明や谷川浩司が受けた衝撃 

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posted2022/03/10 17:01

〈順位戦勝率.942〉藤井聡太“史上最年少名人”へA級昇級…「将棋界の横綱に」と語った日、渡辺明や谷川浩司が受けた衝撃<Number Web> photograph by JIJI PRESS

19歳にして順位戦A級昇級を決めた藤井聡太五冠

渡辺名人が語った「年齢とミスの重み」

<名言2>
自分の年齢を考えれば、負けたら今後、名人戦に出られるかどうかはわからない。だからミスの重みがいつもとは違うんですよ。
(渡辺明/Number1010号 2020年9月3日発売)

◇解説◇
 順位戦は「C2→C1→B2→B1→A」というピラミッド方式で、年間を通じたリーグ戦形式で実施されている。その頂点におけるA級で最も好成績を残した棋士が、名人戦への挑戦権を得るフォーマットだ。

 79期を数える名人戦において、名人に在位した経験を持つ棋士はわずか15人だけ。通算18期の大山康晴十五世名人を筆頭に、中原誠十六世名人(15期)に木村義雄十四世名人(8期)、現役棋士ながら永世名人の資格を持つ羽生善治九段(9期)、森内俊之九段(8期)、谷川浩司九段(5期)とそうそうたる顔ぶれが並ぶ中で……当代きっての最強棋士、渡辺明二冠はなぜか名人戦と縁がなかった。その渡辺が初の名人位を獲得したのは2020年度のことだった。

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 コロナ禍によって将棋界も例年とは違うスケジュールで進んだため、渡辺は棋聖戦と名人戦を立て続けに戦った。さらに棋聖戦の対局相手となった藤井(当時17歳)の初タイトルなるかで世間は大きく注目するなかで、その藤井相手に初タイトルを献上した。

「過去にもタイトル戦で負けたことはあるけど、この人にはどうやってもかなわない、という負け方をしたことはありません。でも今回はそれに近かった」

 当時の棋聖戦について、渡辺はこのように振り返り、藤井の強さを認めていた。この敗戦は心身ともに大きなダメージがあったはずだが……それで終わらないのが渡辺の凄みだった。

 第78期名人戦、挑戦者の渡辺は令和初の「竜王名人」となった豊島将之に対して、このシリーズ4勝2敗で制して初の名人位を獲得したのだ。さらに翌年度は「西の王子」として気鋭の存在である挑戦者・斎藤慎太郎八段相手に4勝1敗で初防衛に成功。強靭な精神力に感服するばかりだ。

 第80期名人戦では2期連続で挑戦者となった斎藤と再び相まみえる。現名人がどんな盤面の攻防を見せるのか――こちらにも注目したい。

最年少名人・谷川浩司が語った「藤井将棋」

<名言3>
藤井さんの終盤力は明らかにナンバーワンです。
(谷川浩司/NumberWeb 2021年10月7日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/850106

◇解説◇
 順位戦における藤井の活躍でついて回る「最年少名人」という表現。その記録保持者であるのが谷川だ。

【次ページ】 藤井先生なら誰も見たことのない景色に……

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