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《前代未聞の違法薬物事件》選手がスタジアムで“半合成麻薬”などを使用していた…3年前に急死したエンゼルス投手の裁判で明かされた衝撃的な事実
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2022/02/24 17:01
2019年7月12日、スカッグスの追悼試合となったマリナーズ戦では、大谷を含むチーム全員が背番号45を着用した
さらに、CJ・クロン一塁手(ロッキーズ)、マイケル・モリン元投手、カム・ベドロシアン投手(フィリーズ)の3選手も、エンゼルス在籍時に、ケイ氏から複数回にわたって違法薬物を受け取っていた事実を証言したことで、陪審員による有罪判決につながった。
違法薬物事件は今に始まったことではない
ケイ氏の薬物提供に関して、エンゼルス球団は一切関与していないとの見解を発表した。ただ、球界内の違法薬物事件は今に始まったことではない。1980年代にトップスターだったドワイト・グッデンやダリル・ストロベリーはコカインを常用していたことが、選手寿命を縮めたと言われる。1999年ドラフト全体1位のジョシュ・ハミルトンは、マイナー時代の薬物・アルコール依存症を克服し、メジャーに定着したものの、誘惑を断ち切れず、15年には再び薬物依存となり、球界から姿を消した。
ステロイドなどの筋肉増強剤などはグラウンド上でのパフォーマンス向上が目的だが、今回のような麻薬類は主にプライベートでの快楽目的でもあり、強い中毒性だけでなく、生命に影響を及ぼす可能性も高い。しかも、当時の球団職員が仲介して選手への窓口となり、球場内で常用していた事実は重い。
スカッグス事件は特殊なケースなのか、それとも「氷山の一角」なのか。
米球界内に、新たな「薬物禍」が浮上する可能性は捨てきれない。