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戦力外から4年、起業を経てDeNAコーチへ 小杉陽太が明かす選手時代の“後悔”「もっとデータを信用していたら…」《本人寄稿》

posted2021/12/20 11:00

 
戦力外から4年、起業を経てDeNAコーチへ 小杉陽太が明かす選手時代の“後悔”「もっとデータを信用していたら…」《本人寄稿》<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2017年に現役を引退し、来季からDeNAの二軍投手コーチの就任する小杉陽太(写真は2016年)

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小杉陽太

小杉陽太Yota Kosugi

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 2017年、横浜DeNAベイスターズの小杉陽太は戦力外通告を受け、9年間の現役生活を終えた。引退後すぐに起業し、ビジネスの世界に身を置きながら、もともと興味があった野球のデータ分析を学んだ。そんな小杉のもとに今夏届いた「ベイスターズのコーチ」の打診。来季から二軍投手コーチに就任する36歳に、オファー時の心境やデータ分析の可能性、来シーズンへの意気込みについて寄稿してもらった。

 蝉の声が鳴り響く8月のことだった。横浜DeNAベイスターズからコーチ就任のオファーが届いた。

 打診のタイミングに運命を感じたことを覚えている。なぜならその日、所属先や携わっている企業に「自分の意思」を伝えていたからだ。

私がコーチの打診を受諾した理由

 自分の意思とは何か――。

 現役引退後の4年間、私はビジネスの世界に身を置いてきたが、何ひとつ満足いく結果が得られていない感覚があった。私でなくても代わりが利く仕事。そんな思いを抱えながら、日々フルスイングできていない自分がいた。

 それがここ2年くらいだろうか。

 本気で野球界、さらにはスポーツ界を変えたいと奮闘する人たちを間近で見てきた。そうした人々と交流するうちに、自分じゃなければできない、自分が携わることで変えられる未来があるかもしれない。そこにベットしてみたいと思うようになった。

 具体的にどのような形で貢献していくか、模索していた最中でのコーチの打診だった。

 現役時代、9年間お世話になったベイスターズで、またユニフォームに袖を通せることは当然嬉しかった。それと同時に私は、「ユニフォームを着ること」が、選手とアナリストたちをつなぐ「ハブ的な役割」を担うための“手段”だと以前から考えていた。

 MLBでは野球経験がない人が戦略コーチとしてユニフォームを着たり、女性がチームアナリストとして在籍したりと多様性にあふれている。しかも、ほとんどのスタッフに意思決定の権限もある。

【次ページ】 自分のようなケースを「防げる」かもしれない

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