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23歳青年オーナーは“没落のプレミア常連クラブ”を復活させられるか 就任10カ月で次々と打ち出す改革とは《Netflixでも特集》 

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三重野翔大

三重野翔大Shodai Mieno

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photograph byJustin Setterfield/Getty Images

posted2021/12/12 17:01

23歳青年オーナーは“没落のプレミア常連クラブ”を復活させられるか 就任10カ月で次々と打ち出す改革とは《Netflixでも特集》<Number Web> photograph by Justin Setterfield/Getty Images

20代にしてオーナー業を経験するドレフュス。どんな人生を歩むのか

 ドレフュスはソフトとハードの両面を整備した。ハード面ではスタジアム・オブ・ライトのストリーミング設備やターフキーパー(芝の舗装機械)を新調。またアカデミー施設にも多くを投資したという。

「長期的なサンダーランドの再興」のために

 ソフト面はかつてバーミンガムでジュード・ベリンガム(現ドルトムント)を育てた、クリスティアン・スピークマンをスポーツディレクター(SD)に招聘したことが最も大きいだろう。

 監督とは別にSDを設置して役割を明確化する。メジャーなクラブでは当たり前のことだが、予算に限りがあった近年のサンダーランドでは、ここの線引きが曖昧だった。それぞれの役割に集中し互いに連携することで、より客観的に、分析に基づいてチームの強化プランや補強戦略を立てることができる。

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 そう、ドレフュスが行っている改革は「長期的なサンダーランドの再興」なのである。

「これは長期的な計画になるが、ファンとクラブが一緒になって取り組むことで、クラブにとってより良い時代が訪れることを願っている。フットボールにおいてはパニックにならないことがとても重要だと思う」

 ドレフュスがオーナーとして初めてクラブ公式のインタビューに答えたときの言葉だ。6分にも及ぶインタビューの中で、23歳の青年オーナーはしきりにこの「長期的」という表現を強調している。

 彼が取り組んでいるのは構造的な問題の解決だ。チームだけではなくフロントスタッフにも明確な役割を与え、適した人材を配置することで、クラブが強くなっていくための土壌を形成している。そしてこのような改革は一朝一夕には結果が出ないものだ。

「組織文化や構造化されたプロセスの話になると、実行するにはとても時間がかかる。そのためには優先順位を正しく設定することが重要だ。我々が最初に変えようとしているのは選手のリクルート方法と、それとデータを統合して、本当の意味で証拠に基づいたアプローチを行うことだ」(スピークマンSD)

移籍市場でも若く有望な選手にシフトチェンジ

 こうしたフロントの刷新は今夏の移籍市場の動きにも表れている。

 トッテナムから獲得した19歳のデニス・サーキンやリーズから加入の20歳ニール・ハギンズなど、ローン移籍も含め若く有望な選手に狙いを定めているのだ。

【次ページ】 宿敵ニューカッスルと立場が正反対だった時代

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