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2020年ドラフト組は“大豊作”… 佐藤輝明に栗林良吏、早川隆久+2年目の宮城大弥ら新人王争いがハイレベルすぎ
posted2021/06/15 11:03
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Sankei Shimbun
今季の新人王レースは異例の展開となっている。昨年ドラフトで入団したルーキーが大活躍をしているのだ。
まず、NPBの新人王資格は以下の通り。
1.海外のプロリーグでプレーした経験がないこと
2.支配下選手に初めて登録されてから5年以内
3.投手として前年までの一軍での登板イニング数が30イニング以内
4.打者として前年までの一軍での打席数が60打席以内
今年でいえば2017年以降に一軍デビューした選手が対象になる。ただし打席数、イニング数の制限がある、2019年デビューの選手でいえば、2020年まで124打席に立ったロッテの藤原恭大には新人王の資格はないが、27打席の中日・根尾昂は新人王の資格がある。
早川と宮城の両サウスポーの成績がすごい
パ・リーグの投手成績から見ていこう。記録は6月13日時点のものだ。
<新人王有資格選手の投球回数10傑、※はルーキー>
1 早川隆久(楽)12試7勝2敗 0S 0H 73.2回 率3.30※
2 宮城大弥(オ)10試6勝1敗 0S 0H 66.1回 率2.31
3 伊藤大海(日)9試3勝4敗 0S 0H 55.2回 率3.07※
4 鈴木昭汰(ロ)12試1勝3敗 0S 1H 46.2回 率4.05※
5 富山凌雅(オ)25試1勝0敗 0S 12H 22.2回 率3.97
6 上間永遠(西)5試1勝1敗 0S 0H 21.1回 率6.33
6 津森宥紀(ソ)29試1勝0敗 0S 8H 21.1回 率1.69
8 漆原大晟(オ)20試2勝1敗 2S 2H 20.2回 率3.48
9 本前郁也(ロ)4試1勝1敗 0S 0H 20回 率5.40
10 佐々木朗希(ロ)3試1勝0敗 0S 0H 16回 率3.38
昨年ドラフトの目玉の1人だった楽天・早川が期待通りの活躍で、ハーラートップの7勝。しかし高卒2年目のオリックス、宮城が交流戦で巨人相手に7回途中までノーヒットノーランを演じるなど、大躍進。勝利数では2位タイだが、防御率では早川をかなり上回っている。
規定投球回数以上はこの2人。日本ハムの伊藤がこれに次ぎ、ローテに加わっている。
救援投手では、ソフトバンクのサイドスロー津森がすでに8ホールド。オリックスは富山、漆原の2人が中継ぎで貢献。両投手ともに当初は失敗が多かったが、辛抱強く起用するうちに戦力になりつつある。交流戦を優勝に導いたオリックス中嶋聡監督の手腕の一端だ。
ロッテの佐々木朗希は実力を見せつつあるが、来年度の新人王を目指すために30イニングの手前でストップさせる可能性もあるだろう。