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サッカー界もマッチングアプリの時代に? 名将ビエルサ率いるリーズが明かす移籍市場でのデジタル戦略とは
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byGetty Imaegs
posted2021/01/19 11:00
今季プレミア昇格を果たし、序盤はセンセーショナルな戦いを発揮したリーズ。名将ビエルサの掲げるサッカーに適応する選手が揃っている
リーズの補強方針は明快だ。21歳以下の選手を中心にスカウティングしている。2018年1月には当時21歳の井手口陽介を獲得した。
結局、井手口はスペイン2部(レオネサ)とドイツ2部(フュルト)のローンを経てガンバ大阪に戻ったため成功事例にはならなかったが、オルタは引き続きJリーグに注目しているという。
「Jリーグが好きで、いい印象を受けている。U-17日本代表、U-19日本代表もフォローしている。この年代の日本人選手のクオリティーに驚いており、同時に彼らがもっとJリーグの試合に出ていいのではないかとも思っている。
ブレグジット(イギリスのEU離脱)によって、私たちは日本を含めたアジアをより見るようになった。アジア人が以前より簡単にイングランドに来られるようになったからだ。
アジアの選手はクイックネスがあり、ハードワークができ、ピッチ外の振る舞いもいい。特に20歳、21歳くらいまでは適応力が高く、発展の可能性を秘めている」
(注:A代表歴、所属クラブでの出場、リーグの格付けなどをポイント化し、15ポイント以上になればプレミアリーグへの移籍資格が得られる。以前は欧州6大リーグでなければポイントを稼ぎづらかったが、新ルールではオランダやベルギーの1部でも稼ぎやすくなった)
代理人にメリットはあるのか?
誤解のないように触れると、多くの代理人が正当に働いており、サッカー界に間違いなく代理人は必要だ。筆者は漫画『フットボールアルケミスト』で悪徳代理人を描いているが、それは業界のごく一部である。
『Player Lens』の共同創始者、ホセ・ラモンは言う。
「私たちは代理人の存在を消そうとしているわけではありません。『Player Lens』は代理人にとってもメリットがあります。彼らが会員になれば、クラブとのグローバルなコネクションを得られる。100人以上の代理人が登録しており、ペップの兄のペレ・グアルディオラ代理人も使ってくれています」
男女の出会いには、仲人の紹介によるお見合いもあれば、マッチングアプリによるポップな始まりもある。デジタルサービスの出現により、選手とクラブの出会い方も多様化していきそうだ。