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阪神JF、“シラユキヒメ一族”ソダシが白毛馬史上初のGI制覇か 武豊騎乗、もう1頭の白毛一族出身も強い 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKyodo News

posted2020/12/12 17:00

阪神JF、“シラユキヒメ一族”ソダシが白毛馬史上初のGI制覇か 武豊騎乗、もう1頭の白毛一族出身も強い<Number Web> photograph by Kyodo News

第55回札幌2歳ステークスで優勝し、白毛馬初の芝重賞制覇を遂げたソダシ

これらの白毛の馬たちに共通すること

 ここまで馬名を挙げた白毛たちは、すべてディープインパクトの馬主として知られる金子真人オーナーの所有馬だったことのほか、もうひとつ共通点がある。

 それは、気性の激しさを秘めていた、ということだ。おそらくサンデーサイレンスの血から来る性質で、その激しさがレースでの爆発力につながる部分でもあった。

 ソダシも例外ではない。須貝調教師によると、敏感な馬なので放牧に出さず手元に置いているという。さらに抜かりなく、担当には強さと気難しさの両方で競馬史に残るゴールドシップを担当していた今浪隆利厩務員を指名し、心身のケアにつとめている。

 鞍上の吉田隼人が、この馬の伯母にあたるユキチャンでの2勝を含め、白毛での勝ち鞍が最多の6勝というのも心強い。

 須貝調教師も言っているように、白毛は芝の上でこそ映える。似合いの舞台で競馬史に輝かしい蹄跡を残すか、楽しみだ。

もう一頭の白毛一族出身無敗馬には武豊が

 ここにはもう1頭、白毛一族出身の無敗馬が参戦してくる。3戦3勝のメイケイエール(父ミッキーアイル、栗東・武英智厩舎)である。

 2代母が前出のユキチャンでソダシとは近親なのだが、この馬は鹿毛。そう、白くない白毛一族もいるのだ。

 8月の新馬戦、小倉2歳ステークスと芝1200mで連勝し、3戦目、阪神芝1400mのファンタジーステークスを2歳レコードで制した。3勝のうち重賞が2つで、ひとつがレコード勝ちというところもソダシと同じだ。

 ただ、1400mの前走でも激しく行きたがっていたように、折り合い面で不安が残る。掛かる馬にやわらかく乗って距離をもたせる技術では世界一と言える武豊がどんな手綱さばきを見せるか。こちらも楽しみだ。

【次ページ】 アーモンドアイと同じ厩舎、騎手、生産牧場の馬も

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