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ディープインパクトが12着? 夢のバーチャルGI開催で日本馬の活躍が見られるか
posted2020/12/14 06:00
text by
片山良三Ryozo Katayama
'15年にJRAが制作、好評を博した「夢の第11レース」というCMがある。
サイレンススズカ、メジロマックイーン、ウオッカ、トウカイテイオー、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、アグネスタキオン、オグリキャップ、エルコンドルパサー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、キングカメハメハ、ミスターシービー、ディープインパクト、エアグルーヴ、ブエナビスタ、ダイワスカーレット、オルフェーヴルという豪華絢爛な18頭立て。5年経った現在でも時折見ることができるのは、ファンの心をガッチリつかんだ名作だからだろう。東京競馬場の芝2400mを舞台に、歴史に残る名馬18頭が競馬ファンの思い出の中で戦い、結末は残り1ハロンのところで視聴者に委ねられた形でフェードアウトして終わる。
バーチャルGIレースのニーズが増していく?
先日、「グレイテスト・エバー・コックスプレート」というバーチャルのGIレースが行われ、実際に馬券の発売もあった。舞台設定は、豪ムーニーバレー競馬場の芝2040m、'19年にリスグラシューが勝ち名乗りをあげた、豪州の中距離最強馬決定戦という位置付けにあるコックスプレートだ。メンバーは、'15年から'18年まで4連覇したウィンクスをはじめ、伝説の名馬ファーラップ(1930、'31年優勝馬)など、豪州の競馬史を彩った過去の優勝馬11頭と、欧州でGIを10勝した英国の名馬フランケル、'73年の米国三冠馬セクレタリアト、それに日本のディープインパクトという面々。
結果はフランケルが優勝して、2着にセクレタリアト。33連勝を記録して獲得賞金世界1位に輝いたウィンクスが3着に敗れたことで、豪州のファンには大きな不満が渦巻いたという。日本人にしてみれば、ディープインパクトの12着も納得いかないところなのだが……。ちなみに、このレースの製作は英国のテクノロジー企業だったそうだ。
バーチャルの競馬にお金を賭けるなんて、と思うところだが、欧州のブックメーカーでは昔から競馬やドッグレースでこれを実施して、それなりの売り上げを得ていたという。コロナ禍でますますニーズが増すことも考えられる。一風変わったこのステージでも日本馬が活躍したり、斬られ役になったりするのだろう。