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五輪最後の1枠、阿部一二三VS丸山城志郎(66kg級)異例の一発勝負の行方【違いはスタミナぐらい?】
posted2020/11/22 11:02
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
KYODO
ついに勝負の場が決まった。
柔道で唯一、東京五輪代表が決定していなかった男子66kg級。
11月16日、全日本柔道連盟はその代表決定戦を12月13日に講道館で開催すると発表した。形式は、2019年世界選手権優勝の丸山城志郎と、2017、2018年同選手権優勝の阿部一二三が対戦、その勝者が代表になる。
これは異例のことだ。
コロナの影響で大会が中止、一騎打ちに
柔道は国際大会で残した成績などをもとに、定められた基準にのっとり代表を選考する。それに従い、他の階級は男女ともに代表が決まった。
だが、男子66kg級だけが決まらなかった。先に記した実績の通り、両者相譲らない、しかも、どちらが出ても金メダルを狙えるハイレベルのところで拮抗しているからだ。
そのため他の階級が決まる中、代表が決まらずに残っていた。
本来は、今春に行なわれる予定だった全日本選抜体重別選手権の結果で決着するはずだったが、新型コロナウイルスの影響で大会は実施されなかった。
その後、一度は12月の国際大会「グランドスラム東京」が選考大会とされたが、この大会も中止。ついに一騎打ちにより決めることになったのだ。試合は国際大会にならい、白と青の柔道着を使用。畳も国際規格の黄と赤の畳に張り替えるという。
拮抗する両者だが、力関係は時期によって異なる。先にリードしていたのは阿部だ。
大学生となった2016年、リオデジャネイロ五輪代表にはなれなかったものの全日本選抜体重別選手権で優勝。その後、世界選手権を連覇し、東京五輪での金メダルを期待される存在となった。