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なぜダルビッシュ&前田健太はサイ・ヤング賞“大差の2位”だった? 1位との指標を徹底比較すると… 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2020/11/16 11:30

なぜダルビッシュ&前田健太はサイ・ヤング賞“大差の2位”だった? 1位との指標を徹底比較すると…<Number Web> photograph by Getty Images

素晴らしい成績だった前田健太とダルビッシュだが、ビーバーとバウアーの成績がそれを上回ってしまった

マエケンはWHIPで両リーグ通じて1位も

 アメリカン・リーグは無風だったと言ってよいだろう。インディアンス3年目の25歳、シェーン・ビーバーが1位票を満票で獲得して選出された。

 前田健太は、昨年までドジャースの同僚だった柳賢振と2位争いをしたが、制球力を示すK/BBなどで柳より明らかに優秀だった。それとともに前田はWHIPでは両リーグ通じて1位。安定感は抜群だったが、圧倒的なパフォーマンスを見せたビーバーとの差は明らかだった。

ナ・リーグの指標を詳細に見てみる

 続いてはナショナル・リーグ。こちらは指標別に詳細に見ていこう。

□ナショナル・リーグ

〇ポイント(1位ポイント)
※バウアー(レッズ)201(189)
ダルビッシュ(カブス)123(21)
デグロム(メッツ)89(0)

 バウアーは30票の1位票のうち、9割に当たる27票を獲得。ダルビッシュの1位票は3票だけ。2位票を8割となる24票獲得したが、全く及ばなかった。

〇勝利数
バウアー5
※ダルビッシュ8
デグロム4

 沢村賞なら最も重視されるはずの勝利数はほとんど評価されなかった。ダルビッシュが成し遂げた日本人初の最多勝は球史に残るのは間違いないが……。

〇防御率
※バウアー1.73
ダルビッシュ2.01
デグロム2.38

 古典的な指標ではあるが「1点台」と「2点台」では印象はかなり違う。多少の影響はあっただろう。

〇投球回数
バウアー73
※ダルビッシュ76
デグロム68

 より多くの投球回を投げることは、投手にとって基本的な責務である。ダルビッシュはリーグ3位の76回を投げた。このことは評価できるが、バウアーとの差はそれほど大きくなかった。

〇WHIP(1イニング当たりの安打、四球による走者数)
※バウアー0.80
ダルビッシュ0.961 
デグロム0.956 

 WHIPは「安打」という運が左右する数字が含まれているので、現在のMLBではそれほど重要視されていない。それでもバウアーのWHIPはダルビッシュよりもかなり良い。記者投票でこの数字が与えた影響は小さくないだろう。

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