オリンピックPRESSBACK NUMBER
ついに取り壊し、原宿駅の木造駅舎はどうなるのか? オリンピックに翻弄された若者の聖地の過去と今
posted2020/09/14 11:30
text by
今尾恵介Keisuke Imao
photograph by
NumberWeb
東京都渋谷区の「原宿」といえば、まちがいなく全国的に名の知れた地名である。
ひと頃は駅前の竹下通りなど、コロナ禍の今では信じられないほどの高密度で、全国から集まった若者(特に中高生たち)で溢れかえっていた。ここに来れば流行の最先端に近づけるとの思いが、若者たちをこの「聖地」に引き寄せたのだろう。
近年では毎年増加する外国人観光客もこの地域に多く集まり、山手線の原宿駅は少し前まで常にごった返していたものである。その大混雑が2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催時にはさらに激しさを増すことに疑問を抱く人などほとんどいなかったに違いない。
ついでながら、原宿駅に接続する東京メトロ千代田線・副都心線の駅名も10年前からは「明治神宮前<原宿>」と括弧書きで原宿の名を入れている。
五輪を機に建て替えが現実的に
オリンピック・パラリンピックを前に現実的になったのが、老朽化していた木造駅舎の建て替えである。耐火基準を満たす必要性もあったそうで、大正時代から親しまれてきた風見鶏のあるハーフティンバーの洋館建築はこの8月末に取り壊しがはじまった。