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遠藤保仁と中村憲剛がいま語ること。
「誘ったの覚えてます?」「多分」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAsami Enomoto
posted2020/06/09 11:50
7月4日に予定されるJ1再開、そして名手たちとの再会が待ち遠しい。
遠藤は「格差はあったほうがいいんじゃないか派」。
――脱線ついでに、もうひとつお聞きしたいのですが。Jリーグは25年以上経過して「共存」から「競争」の時代に入っていますが、こうやって最強チームを並べてみても今まだ群雄割拠が続いていますよね。強いところの顔ぶれがどんどんと変わっていくというのも、Jリーグの魅力だと思いますか?
憲剛 欧州と比べてみても、下位にいるチームが上位にいるチームに勝つことが普通に起こりうるリーグ。それがJリーグの面白さにもつながっているとは感じます。もうちょっと格差が出てくるべきかどうかは、僕自身、判断しかねるところはある。ただ、プレーしている立場から言えば、チームのすべての力を出し切っていかないといかなる相手でも勝たせてもらえないというのはリーグ的にも面白いんじゃないかとは思います。ヤットさんはどう感じてます?
遠藤 俺は結構前から言っているけど“格差はあったほうがいいんじゃないか派”なんだよね。
憲剛 そうなんですね。
遠藤 毎回タイトルを取るような戦いができればお客さんもより集まるし、お金も選手も集まるでしょ。そうなれば当然、格差って出てくるもの。海外のどのリーグも大体ビッグ4くらいあって中堅、残留争いをするチームって分かれる。そうなっていくのが、自然な流れなのかなって。
憲剛 ヤットさんが言うように何チームかビッグクラブみたいな感じで大きくなって、それに抗う中堅、残留を争うチームがあるという構図がはっきりしていくのも面白いのかなとは思いますけどね。
「これがJリーグ」というのができれば。
――Jリーグは前年に上位だったチームが翌年は降格したり、昇格即優勝したり。遠藤さんのガンバも2012年にJ2降格が決まって、J1に戻ってきた'14年に国内三冠を達成されています。
遠藤 ウチもそうですけど、一昨年のレイソルだってメンバーがそろっていながら降格していますしね。どこが優勝するか分からない、どこが降格するか分からないっていうのも魅力と言えば魅力なんですけど。
憲剛 Jリーグが誕生してまだ30年も経ってない。どうなっていくにしても“これがJリーグなんだ”と言っていけばいいんじゃないかな。やっぱり観てくれる人、スタジアムに足を運んでくれる人がたくさんいるというのが大事。それぞれのクラブが自分たちで方法論を見いだしながら前進していくべきなのかなとは感じますけどね。
遠藤 まあ、これからだね。