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<常勝軍団の黄金期とは>
小笠原満男/中田浩二/鈴木満「三冠か。3連覇か」
2000/2009 鹿島アントラーズ
posted2020/06/10 08:00
text by
池田博一Hirokazu Ikeda
photograph by
J.LEAGUE
手にしたタイトルは20を数える。ジーコの魂を継承し、リーグを牽引し続けてきた常勝軍団の絶頂期とはいつか。三冠を達成した'00年か、前人未到の3連覇を成し遂げた'09年か。鹿島の歴史を知り尽くす3人が、伝説のチームの秘密を明かす。(Number1004号掲載)
2009 鹿島アントラーズ
選手投票 第2位
読者投票 第7位
これまでに計1332回。鈴木満フットボールダイレクターには、試合前に欠かさず続けてきたことがある。
「クラブハウスには、鹿島神宮のお札をまつってあるんです。そこに向かって手を合わせて一礼する。どんな試合でも公式戦の前は一度クラブハウスに行って、お参りをしてから試合に向かいます。この試合前の必勝祈願は、ずっとやっていることです」
鹿島神宮には、勝負の神が宿っている。日本神話最強の武神、勝利の神様と呼ばれた「武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)」を御祭神とする。鹿島アントラーズは、シーズン開幕前にここで必勝祈願を行う。鈴木はそれを開幕前のみならず、毎試合続けてきた。
1993年のJ開幕・名古屋グランパス戦ではヘッドコーチとしてベンチに座り、その後は'96年より強化部長として支えてきた鈴木は、鹿島の強さをこう表現する。
「30年近くチームを見てきたけれど、強いチームって、強いから勝つんじゃない。勝つから強くなるんです。タイトルに貪欲になるのが大事。それはACLと国内の3大タイトル(Jリーグ、ルヴァンカップ、天皇杯)以外でも変わらない。だからゼロックス・スーパーカップやスルガ銀行チャンピオンシップでも、常に勝つことにこだわってきました」