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“人類を進化させる男”の諫言。
「日本人よ、今こそ免疫を上げろ」
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byGetty Images
posted2020/03/21 19:00
何事も、最後の最後は個人の対応力が勝負を分ける。それは感染症でも同じことなのだ。
社会、医療、そして個人の免疫。
――なんでしょうかそれは?
「免疫力を高めることです。ウィルス感染を防ぐためには、検疫や公衆衛生的管理などの『社会システム』と、診断やワクチンの開発など『医療システム』。あとは『一人一人の免疫力』が重要だと考えます。
ただ、僕は医者でも研究者でもないウェルネス以上メディカル未満が領域なので、“体内からのウィルス対策”である免疫力について、日本人はまだまだ全然準備ができていないと諫言したいのです」
――免疫力を高めれば、新型コロナを含む病気にかかりにくくなるってことですか?
「100%罹らないとはいえないけど、間違いなく確率は下がります。多少のウィルスが入って来たとしても、身体の免疫力が強ければ発症や重症化も防げます。
今回の新型コロナは、昔の腸チフスやコレラなどの伝染病のように、罹ったら神に祈るだけしかできないという病じゃない。現在のところは、自分の免疫力を高めれば重症化せずに改善できるケースが増えます。
今のうちに国民ひとりひとりの免疫に対する意識を改善しておかなければならないですよ。目の前の新型コロナから身を守るだけじゃない。今回はただの予行演習で、これからもっと深刻なウィルスが流行する世の中になるかもしれませんからね」
腸が元気ならなんでもできる?
――免疫を上げるためには栄養、睡眠、適度な運動と、あとは楽しい事をやるなんて言われていますが、具体的にどうすればいいのでしょう?
「ハッキリ言います。免疫を上げるには腸の状態を整えること。人間の免疫細胞の約7割が腸に集中しているというぐらい免疫=腸なんです。腸管が解毒をしたりウィルスを排出するので、身体のコンディションを整えたりしている。腸が弱っていたり傷んでると、そこから身体は犯されていきます。
腸を整えるためには良質な食事と必要な栄養素を採っていくこと。免疫を高めるだけでなく、メンタルも改善されますし、パフォーマンスも良くなる。腸が良ければなんでもできます」
――新手の猪木のようですね。腸の状態を整えるにはヨーグルトとか食べればいいんですか?
「そうとは限らないですね。ヨーグルトや乳酸菌のドリンクなどは、いい菌だけ取れたらいいんですけど、乳製品に含まれるカゼインが腸壁を破壊することもあり、日本人は遺伝的に割と弱い体質だと言われています。
また、インドの伝統医療であるアーユルヴェーダなどは加工品を食べると免疫が落ちるから控えるように言っていますし、やはりより自然に近い良い食材を食べるということではないでしょうか」