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「日本と何が違うのか」という興味。
藪恵壹が語るメジャー挑戦の意義。
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph byKyodo News
posted2020/02/04 20:00
レイズ入団会見で笑顔を見せる筒香。同じくMLBに挑戦する秋山も含め「ポテンシャルはある」と藪は日本人野手2人に期待を寄せる。
柳田、坂本、則本らの長期契約。
一方、近年ではメジャー志向の高まりとは逆行するような契約も見られます。
ソフトバンクの柳田悠岐は今オフ、7年の長期契約を結びました。巨人の坂本勇人も、昨オフに5年にわたる複数年契約を結んでいたと契約更改の会見で明かしています。契約満了は柳田が38歳、坂本が35歳のシーズンになりますから、事実上のメジャー封印です。昨オフに7年契約を結んでいたことが明らかとなった楽天・則本昂大も同様でしょう。
もちろんひとつの価値観ではありますし、リーグのトップレベルでずっとやれるというメリットは大きいですから、彼らの決断も理解できます。力のある選手が生涯NPBに留まるという選択ができるのは、それだけ昔に比べて力の差が縮まり、プロ野球の価値が上がっていることの証左でもあると思います。
新ルール、制度を生み出すMLB。
それでも個人的には、MLBに挑戦できる力があるならば行ったほうが良いと思っています。
私は2005年にアスレチックスへと渡りましたが、初めから狙っていて移籍したというわけではありませんでした。いいなあと憧れていたら行ける状態になった、行けそうだったから行った、という感じです。そこにあったのは、日本とは何が違うんだろう、向こうには何があるんだろう、という興味でした。
今シーズン、メジャーでは投手のワンポイント起用の禁止が導入されますが、将来的にNPBにも取り入れられることは確実だと思います。それはこのルールに限ったことではありません。やはり野球発祥国、新しいルールや制度が生み出されるのはアメリカです。それらに一歩先に触れられるというのは、選手にとっても大きなメリットだと思います。