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なぜ彼らは青木宣親の下に集うのか。
村上、中山、宮本、上田、西浦の心。
posted2020/01/22 07:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Kyodo News
誰かに見られているような気がして裏庭を見ると、2人の若者がプールサイドで両足を前後に大きく広げ、ストレッチをしていた。
19歳の村上宗隆と23歳の中山翔太が、部屋の中にいたこちらではなく、巨大な窓ガラスに映る自分の姿を見て、動きを確認していた。Tシャツに半ズボン、裸足というカジュアルな格好の彼らは、仲良く並びながらひとつひとつの動作に入る前に背骨を伸ばしたり、肩甲骨を寄せたり、骨盤の位置を確認していた。
かと思えば、その真横で24歳の宮本丈がバットを振っている。チラッ、チラッと窓ガラスに映る自分を見ながら、チェックポイントを確認している。
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ロサンゼルス郊外にある青木宣親の家での共同生活でのひとコマ。38歳の大ベテランが率いるヤクルトスワローズたちは、31歳の上田剛史と28歳の西浦直亨を含む6人で、今年も自主トレーニングに勤しんでいた。
早朝、スタッフの人々が作る朝食を摂り、それぞれが自分で食器を洗って練習に出かける毎日である。午前中は打撃や守備など野球の練習がメイン。ランチを摂ってからはジムにこもって、「去年より内容が濃い」と青木が言う体力向上のトレーニングを行う。
「真面目に練習するのは当たり前」
ただし、全員がほぼ同じメニューをこなしながらも、自由時間ではそれぞれのテーマに沿って体を動かしている。そうすることが当たり前のプロ野球選手なので、「意識が高い」などと表現するつもりはない。
ただ、それぞれが1人のアスリートとして、何かを目指して気持ちを集中させている姿が何しろ、印象的だった。
「真面目に練習するなんていうのは、当たり前だから」と青木は言う。
自分のやるべきことが分かっている、というのなら、彼以上にそれが分かっている選手はいない。慌てず騒がず、体の調子によっては無理せず休む。
もちろん、打撃練習では相変わらず、自分のチェックポイントをしっかり捉えて確認していたりする――。