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なぜ彼らは青木宣親の下に集うのか。
村上、中山、宮本、上田、西浦の心。 

text by

ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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photograph byKyodo News

posted2020/01/22 07:00

なぜ彼らは青木宣親の下に集うのか。村上、中山、宮本、上田、西浦の心。<Number Web> photograph by Kyodo News

村上宗隆の守備練習を見守る青木宣親。ヤクルトにとって青木の存在は1選手の枠を完全に超えている。

上田、西浦らが掲げた自分のテーマ。

「彼らとは年齢が違うから、同じことやってるわけにはいかないでしょ」

 そこで例の人懐っこい笑顔が浮かぶ。メジャーリーグにいた頃に購入した別宅で、愛する家族と年末を過ごし、彼らと入れ違いにやって来たのがヤクルトスワローズの中堅&若手軍団だった。

 今年でプロ野球14年目になる上田は、青木と20代前半の選手たちの間に入って「いい味」を出している。

 たとえば休憩時間にタブレットで他の選手のアマチュア時代の画像を出しては「今と全然、変わらへんやん」などとイジっては笑うのだが、若かりし頃の自分の画像も引っ張り出して「ガリガリやな、オレ」としっかり笑いをとる。

 練習となるとバットの出し方やそれをスムーズに行うための動きに気持ちを集中させ、「自分の場合はやっぱり、いつも打撃なんですよ」とある種の危機感を持って話す。

 昨季、故障に苦しんだ28歳の西浦直亨は、「逆方向へ強い打球を飛ばすことがテーマ」と言いながらも、守備練習ではなるべく低く打球を捌くことを意識している。

「腰がちょっと高いというか、もう少し低くしたい。もう少し股関節を柔らかくしないといけないと思って、イチローさんで有名な初動負荷も日本でやってきましたから」

トレーナーの会話に耳をそばだて。

 大人しい印象を与える宮本は、「今年は何が何でもやってやる」という気概を感じさせた。

 朝が早いのでフルメニューの日でも午後3時過ぎには全員が家に戻ってくるのだが、シャワーを浴びたかと思えば、気が付くとバット片手に打撃フォームをチェックしたり、動画を見ならストレッチバーを使って体をほぐしたりしている。

 ロスでの自主トレ初参加の中山も、それは同じだった。いつもニコニコしている「天然キャラ」が、ストレッチを終えるといつの間にかバットを手にしている。

 かと思えば、青木の体を大学生の頃から見続け、二人三脚で「理想の打撃」を作り上げてきた専属トレーナーの原田雅章氏がほかの選手に「体の動き」について説明していると、その会話から何かを吸収しようと、それとなく聞いていたりする。

【次ページ】 何よりも驚いた村上宗隆の守備。

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