ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
10連敗からの2位、筒香嘉智の移籍。
DeNA三原代表が振り返る2019年。
posted2019/12/22 11:30
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Hirofumi Kamaya
巨人と優勝争いをし、リーグ2位となった横浜DeNAベイスターズ。春先は10連敗を喫し苦境に立たされるなど波瀾万丈のシーズンを送ったが、編成のトップであり常にチームに帯同していた三原一晃球団代表に、2019年シーズンの総括と、メジャーリーグに挑戦する筒香嘉智がいなくなる来季について話を聞いた。
――4月に10連敗がありましたが、あの時期はどのように戦況を見つめていましたか。
わたしは2017年のシーズンから代表を務め、最初の2年間は高田繁前ゼネラルマネージャー(GM)の傍らに付き勉強させていただいたのですが、今季は高田前GMが退任された初めてのシーズンでした。以前は物事を決める際に高田前GMに相談することができ心強かったのですが、いなくなった最初の月に10連敗してしまい、わたしとしてはかなり心配しました。
ただ、選手たちは連敗にあっても暗く沈み込むことなく次の試合、次の試合と前向きに取り組んでくれました。そして昇格したばかりの石川雄洋が活躍(10連敗中だった4月29日の巨人戦、一軍昇格即スタメン出場の石川が8回に決勝2ラン)することで連敗を止め、チームを救ってくれました。あの試合は今季のなかでも非常に重要な試合だったと思います。
前任・高田GMが作り上げたものがカタチに。
――5月以降の戦いについてはいかがでしょうか。
出遅れていた東克樹や濱口遥大という先発ピッチャーが戻ってきてくれて、さらに開幕から不振だった宮崎敏郎が本来の力を発揮することでチーム力を取り戻し交流戦を勝ち越すことができました。今季の交流戦はサヨナラ勝ちなどドラマチックな展開が多く、ああいった試合を勝つことで選手たちに自信が生まれ、優勝争いも含めたその後の戦いに繋がっていったと思います。
また阪口晧亮や中川虎大といった若い投手が次々と出てきてくれたり、移籍してきた中堅、ベテランが活躍するなど選手層という面で底力というか、ドラフトを軸にした、外国人補強、トレード、FAといった高田前GMが作り上げてきたものがカタチになってきたなと実感したシーズンでもありました。