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過去5年ドラ1の成績はどうなった?
打者・投手育成が上手な球団は……。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHideki Sugiyama

posted2019/10/27 19:00

過去5年ドラ1の成績はどうなった?打者・投手育成が上手な球団は……。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

ここ5年間のドラ1で最も実績を挙げている山崎康晃。プロ5年間で163セーブ、入団1年目から5年連続20セーブ以上は立派の一言だ。

中日、ヤクルトの2014年ドラ1は……。

<広島>
2014年 野間峻祥(外)中部学院大学
 495試 987打 256安 8本 75点 50盗 率.259
2015年 岡田明丈(投)大阪商業大学
 71試 24勝17敗0S 2H 376回 率4.36
2016年 矢崎(加藤)拓也(投)慶應義塾大学
 12試 1勝3敗0S 0H 37.1回 率4.58
2017年 中村奨成(捕)広陵高
 一軍出場なし
2018年 小園海斗(内)報徳学園高
 58試 188打 40安 4本 16点 1盗 率.213

 ※2019年 森下暢仁(投)明治大学

 昨シーズンは野間が主力に定着。小園も高卒ルーキーとして売り出したが、岡田は浮き沈みが多い印象で、現状だとドラ1が大活躍しているチームとは言い切れない。野村祐輔の明大の後輩にあたる森下は即戦力の評判が高いが、どうなるか注目が集まる。

<中日>
2014年 野村亮介(投)三菱日立パワーシステムズ横浜
 3試 0勝0敗0S 0H 2.2回 率10.13 ※引退 
2015年 小笠原慎之介(投)東海大相模高
 61試 15勝21敗0S 0H 337.1回 率4.03
2016年 柳裕也(投)明治大学
 47試 14勝16敗0S 0H 274.1回 率4.04
2017年 鈴木博志(投)ヤマハ
 78試 4勝8敗18S 13H 74回 率4.38
2018年 根尾昂(内)大阪桐蔭高
 2試 2打 0安 0本 0点 0盗 率.000

 ※2019年 石川昂弥(内)東邦高

 5年前のドラ1だった野村は2017年10月に戦力外通告を受け、早くも引退を決断している。一方で今季は柳がローテに定着し、戦線離脱こそしたものの鈴木はクローザーに抜擢された。なお昨年注目が集まった根尾の今季は「プロの水に慣れる」段階だった。

<ヤクルト>
2014年 竹下真吾(投)ヤマハ
 1試 0勝0敗0S 0H 2.2回 率13.50 ※引退
2015年 原樹理(投)東洋大学
 81試 14勝33敗0S 1H 383回 率4.18
2016年 寺島成輝(投)履正社高
 5試 0勝1敗0S 0H 9回 率12.00
2017年 村上宗隆(捕)九州学院高
 149試 523打 119安 37本 98点 5盗 率.228
2018年 清水昇(投)国学院大学
 11試 0勝3敗0S 0H 26回 率7.27

 ※2019年 奥川恭伸(投)星稜高

 ヤクルトも2014年のドラ1竹下がもうプロの世界から去った。原樹理もシーズン通して活躍できなかった。その一方で、捕手から内野手となったプロ2年目の村上が、10代の打者として破天荒な成績を残した。このチームも若手を早いうちから抜擢するが、投手は結果があまり出ていない。そんな傾向がある中で、奥川がどう成長するかは今から気になるところだ。

 こうしてみると、「投手を育てるのがうまいチーム」と「野手を育てるのがうまいチーム」はある程度存在しているように感じる。選手のめぐりあわせや、指揮官との相性もあるだろうが「どのチームに行くか?」はかなり重要なのだ。
 

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