欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
香川真司、久保建英と現地ファン。
愛され具合は“呼び方”で分かる。
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2019/10/21 07:30
ハチマキをして応援するマジョルカのチビッ子ファン。彼らに久保建英はどれだけインパクトを与えられるだろうか。
サポーターにレンズを向けてみると。
またリーガに関する1週間の日程を見てみると、火・水・木とCLにELもしくは国王杯、金・土・日はリーガの試合で埋まっており、ほぼ毎日ハイレベルなサッカーを観戦することができる。
ただサッカーを取り巻く環境は違えども、スタジアムを訪れるサポーターの目の輝きに、違いはない。メッシやロナウドを筆頭としたスタープレーヤーを写真に収めるために現地に赴く中で、やはり彼らを見つめるサポーターにもレンズを向けることが多くなる。
PKの場面は確実にゴールシーンから繋がる喜びまでを撮影出来るチャンスでもあるが、あえてゴールに背を向けサポーターにレンズを向けることがある。
祈るような表情から、喜びが爆発する瞬間にダダッとシャッターを押す。
画像を確認すると少年の喜びによって開けられた大きな口は前歯が抜けていた。
しかも2本とも。
喜びの写真にちょっとほのぼのとしたエッセンスを思いがけず加える事ができた。
熱すぎるセビージャファンの声。
そして、祈る表情が悔しさに溢れた時にはそっとシャッターを押すようにしている。
また撮影ポジションは、選手とサポーターの間に位置している。サポーターから選手への声援もヤジも、全てが一度自分を突き抜けていくような錯覚に陥る。
その応援の熱量にほだされ、撮影プランを変更することがたまにある。
初めて訪れたセビージャの本拠地サンチェス・ピスファンでのこと。
CLの試合で、アーセナルの撮影を依頼されていたにもかかわらず、初めて聞くセビジスタのイムノ(チーム応援歌)に感動し、自分でも知らぬ間にセビージャの攻撃を撮影していた。
その結果、初めてNumberwebにセビージャのフォワード、カヌーテの写真が掲載されたのを覚えている。