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香川真司、久保建英と現地ファン。
愛され具合は“呼び方”で分かる。
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2019/10/21 07:30
ハチマキをして応援するマジョルカのチビッ子ファン。彼らに久保建英はどれだけインパクトを与えられるだろうか。
日本人選手と愛され具合と呼び方。
また日本人選手が所属するチームの撮影をする際には、サポーターとの間に別の体験をする。
サポーターからの愛され具合は非常に気になる点だ。
ピッチ脇をカメラを抱えて歩いていると、「中村」とも呼ばれたし、「乾」とも「岳」とも呼ばれた事がある。
しかし日本人選手の調子が悪く、ベンチ生活が長くなると、とたんに名前を呼ばれなくなる。
選手の活躍の次第がダイレクトに、自分に向けた言葉となって向かってくるのだ。そんなこともあるからか、地元の少年ファンが日本人選手のユニホームを着ていると嬉しくなる。
久保、香川に対する応援の熱量。
期待に応えていいプレーを見せて欲しいなと思いながらレンズを向けている。今季リーガデビューを飾った久保はまだ18歳、彼のユニホームをまとった歳の差も余りない少年は、久保のプレーに自分の姿を重ねて応援する。
30歳になりリーガに挑戦することを決めた香川を応援する、サラゴサの23番を着た少年が、マンチェスター・ユナイテッドで活躍したことのあるスーパースターとしての彼に声をからしている。
結果を残し活躍すれば、道行くアジア人全てに向けて自分の名前が呼ばれ、活躍できなければ名前すら呼ばれることがなくなってしまう。
改めてシビアな世界だなと感じつつ、シーズンが終わる頃、何人の日本人の名前が各地で叫ばれているのかを想像しながらの撮影が続く。