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「目指すは金メダル」が帯びる現実味。
女子ホッケー・さくらジャパンの現在地。

posted2019/08/21 11:00

 
「目指すは金メダル」が帯びる現実味。女子ホッケー・さくらジャパンの現在地。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

大舞台で頂点を目指すホッケー女子日本代表・さくらジャパン。

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph by

Asami Enomoto

 大舞台で花を咲かせることができるか――。

 愛称は「さくらジャパン」、ホッケー女子日本代表が来年に迫った東京五輪を見据え、強化に励んでいる。

 その成果は徐々に表れている。

 現在の世界ランキングは14位だが、昨年8月からジャカルタで行なわれたアジア大会ではランキング上位の中国、韓国、インドを破り初優勝。

 すでに開催国枠で東京五輪の出場権は得ていたが、優勝国に出場枠が与えられるアジア大会優勝により、実力面でも出場するにふさわしいことを示した。

 今年4月の強化試合ではほぼ同格のチリ、そして再び韓国に勝利。

 6月に広島で行なわれたFIH(国際ホッケー連盟)シリーズ・ファイナル女子8カ国国際大会では、決勝でインドに1-3で敗れたものの、若い選手を数多く招集したメンバーで挑んだ中、層を厚くするという観点をはじめ、得たものも少なくない場となった。

金メダルのために新指揮官を公募。

 2004年のアテネ大会で初めてオリンピックに出場。8位入賞を果たしたが、以降、成績は伸び悩んだ。2008年の北京は予選リーグで1勝3敗1分け、順位決定戦で敗れ10位。2012年のロンドンも予選リーグ1勝3敗1分け、順位決定戦では勝利したものの9位。2016年のリオデジャネイロでは4敗1分けと勝ち星なく、大会を終えた。

 オリンピックには出場し続けているとはいえ、本大会では、描いた青写真とは異なる結果にとどまり続けた。

 状況を覆すには、何かを抜本的に変えるしかない。

 そんな決意が形となったのは、リオ五輪後の2016年11月のことだった。国際ホッケー連盟を通じて、代表監督の公募を開始したのである。

 国内のどのチームともかかわりなく、白紙の目線で日本の選手たちをみつめ、いちからチームを作る。

 そんな意図があった。

 数多くの指導者が応募した中、選ばれたのは、オーストラリア人のアンソニー・ファリーだった。

リオ後に就任したファリー監督は、その手腕を活かしチームを変身させている。

 リオデジャネイロではカナダ男子代表を指揮したファリーは言った。

「日本は金メダルが獲れる」

 その信念は、選手たちにも浸透していった。だから選手たちも取材の場で「目標は東京でのメダル」「金メダルを目標にしています」とストレートに抱負を語る。

 それがチームの芯となっていった。

【次ページ】 速さと戦術理解を求めたファリー監督。

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