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<特別対談 後編>
室屋義秀(パイロット)×小山宙哉(漫画家)
「『新しさ』への挑戦は続く」 

text by

別府響(文藝春秋)

別府響(文藝春秋)Hibiki Beppu

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photograph byTadashi Shirasawa

posted2019/08/18 11:00

<特別対談 後編>室屋義秀(パイロット)×小山宙哉(漫画家)「『新しさ』への挑戦は続く」<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

緊急時は自力でパラシュートを開く。

小山 ちなみに飛行機だと最終脱出手段はよく映画で見るような、操縦席からバシュッと飛び出すパラシュートなんですか?

室屋 僕らはああいう装置はないんです。戦闘機とかにはついているんですけど、競技用の飛行機は軽量化しなければいけないので。パラシュートは背負っているんですが、飛行機からは自力で脱出ですね。だから僕らはスカイダイビングのトレーニングもしています。

小山 イスで飛び出すんじゃなくて……。

室屋 僕らの飛行機のキャノピーは開けると吹き飛ぶようになっているので、キャノピーを吹き飛ばした後にシートベルトを外して自分で飛び出してパラシュートを開くんです。だから高度が低ければ、パラシュートを開くまで1秒、2秒しかないときもあります。

小山 本当にギリギリの状況なんですね。1度、スペースシャトルのコクピットに見学で座らせてもらったことがあるんですけど、その時にも周囲に操縦パネルや、計器がたくさんあって。音速の世界の中で、そういうものを操作しながら頭を使うというのは本当にすごいと思います。

進路決定のヒントにしてもらいたい。

室屋 そういった色んな機器も活用しながら危機を回避する策を講じておくのが大切だと思います。『宇宙兄弟』でのアクシデントも、そういった策は機能しているのかなと。まぁ一読者としては、そんな難しい状況の中で作品がこの先どうなっていくのか、次を気にしながら待っているだけなんですけど(笑)。

小山 物語自体は終わりに向かってはいる段階なので、読者のみなさんには頑張ってついて来てもらえると嬉しいですね。とはいえ毎回延びるので、すぐに作品が終わってしまうわけではないですが……。室屋さんは今後のご自身のビジョンはどうお考えなんですか?

室屋 自分は「操縦技術世界一を目指す」ということでずっとやってきました。その結果として2017年にはエアレースでワールドチャンピオンを獲れ、競技者としては幸せなところでやらせてもらえていると思います。自分自身はどうやって戦って、どうやって準備をすればいいのかということがわかってきているつもりなので、これからは次の世代にどうやって繋ぐかというのが課題だと思っています。ちょうど今年から小3から中2の子たちを対象に子ども向けの教室も始めていて。

小山 その子たちも飛行機に乗るんですか?

室屋 まだ乗らないですけど、考え方とか準備の仕方とか、そういう部分を勉強してもらいたいと思っています。その後の自分たちの進路決定のヒントにしてもらいたいと思っていて。そういう活動を通して、徐々に飛行機に関わる人が増えてくれるといいなと思っています。

室屋選手の「挑戦」を応援するLEXUSの特設サイトはこちら。

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