ドイツサッカーの裏の裏……って表だ!BACK NUMBER
今季ブンデスで輝いたスターたち。
ベスト11長谷部誠とワインの逸話。
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph byGetty Images
posted2019/05/28 08:00
バイエルンの逆転優勝の一方で日本人として誇らしいのはやはり、長谷部誠の円熟ぶりだろう。
着々と進むドルトムントの補強。
ただ、バイエルンも仮にレバンドフスキに不測の事態が起きていれば、リーグ制覇を逃していた可能性は十分。多士済々のアタッカーが揃っていたとはいえ、このCFの代役だけは見当たらないからだ。
また、ドルトムントは終盤戦に守備陣の凡ミスが目立ったのも痛かった。それでも昨シーズンから勝ち点21を上積みさせたルシアン・ファブレ監督は称賛されてしかるべきだろう。
7年ぶりのマイスターシャーレ奪還は失敗に終わったが、シーズン終了後にはフロントからファンに"ビッグプレゼント"が届いた。ドイツ代表MFニコ・シュルツ、同FWのユリアン・ブラント、ベルギー代表FWトルガン・アザールの獲得に成功したのだ。
いわばアキレス腱となっていた左サイドバック、ロイスとサンチョ頼みだった前線の不安を一気に解消する的確な補強で、ファンは早くも来シーズンへの期待を膨らませている。あとはレアル・マドリーやバルセロナが触手を伸ばすサンチョを引き留められるかが肝要だ。
第2勢力に目を向けてみると。
第2勢力に目を向ければ、リーグ最少29失点を誇ったRBライプツィヒが3位に入り、CL出場権のラスト1枠となる4位にはオランダ人指揮官ペテル・ボシュの下で、アタッキングフットボールを展開したレバークーゼンがランディングした。
前者はCBイブラヒマ・コナテ、後者はMFカイ・ハフェルツと、同じ'99年生まれのヤングプレーヤーが見せた活躍がとりわけ印象深い。RBライプツィヒはラルフ・ラングニックからバトンを引き継ぐユリアン・ナーゲルスマン新監督の舵取り、レバークーゼンは公式戦10得点17アシストを挙げたブラントの穴埋め作業が、来シーズンの飛躍を大きく左右しそうだ。
コナテ、ハフェルツ、そしてサンチョに加え、リーグ3位タイの17ゴールを挙げたフランクフルトのFWルカ・ヨビッチ(21歳)、5位ボルシアMGの中盤で異彩を放った22歳のフロリアン・ノイハウス、昇格クラブのデュッセルドルフで2桁得点を挙げた21歳のドディ・ルケバキオなど、今シーズンも数多くの若手がブレイクを遂げた。
特に興味深いのはロンドン出身者であるサンチョの飛躍で、ユース世代で成功を収めているイングランドの逸材たちがドイツにやってくる流れが強まるかもしれない。