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J本拠地のネーミングライツ大調査。
実は知らない正式名、多い業態は?
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/03/01 18:30
鳥栖vs.名古屋の開幕戦でお披露目となった「駅前不動産スタジアム」。看板、目立ってます。
元祖は味スタ、浦和の場合……。
命名権の元祖と言えば、味の素スタジアム。「東京スタジアム」が完成したのは2000年で、ネーミングライツを取ったのは2002年のこと。命名当初こそ「あ、味スタ……?」って違和感もあったが、今や老舗の匂いが漂う。
ちなみにFC東京U-23などが使用する国立西が丘サッカー場も2012年から「味の素フィールド西が丘(味フィ西)」、そこのお隣にあるJOCの施設も「味の素ナショナルトレーニングセンター」である。味の素、強し。
最近は埼スタを使用している浦和だが、実はあるスタジアムのネーミングライツを持っている。J創設時から“聖地”として使用した「駒場運動公園競技場」が、2012年から「浦和駒場スタジアム」となったのだ。今もファン感謝デーの会場となったり、レディースやユースチームが試合で使用している。
カシマはスタジアム自体に命名権は適用されていないが、入場口の第2ゲートが「新日鐵住金ゲート」となっている。なかなかニッチなところに目をつけたものである。
ヤマハスタジアムは「ネーミングライツじゃないの?」と勘違いしやすいが、そうではない。なぜなら、そもそも施設をヤマハ発動機(二輪製造)が所有、運営管理しているから。とはいえ「ヤマハ」の名がついているのだから、広告効果は高いだろう。
セレッソの場合、ヤンマーだけでなく現在改装中の長居球技場も、2018年まで蚊取り線香や殺虫剤でおなじみの「キンチョウスタジアム」だった。なおキンチョウ(金鳥)の正式な企業名は「大日本除虫菊株式会社」。やっぱり「キンチョウ」の方がしっくりくる気がする。
J2も馴染み深い名前が多い。
続いてJ2の各スタジアムだ。
<J2>
山形:NDソフトスタジアム山形/NDスタ(ソフトウェア開発)
水戸:ケーズデンキスタジアム水戸/Ksスタ(家電量販店)
栃木:栃木県グリーンスタジアム/栃木グ※
大宮:NACK5スタジアム大宮/NACK5(ラジオ局)
千葉:フクダ電子アリーナ/フクアリ(医療機器・製造販売)
柏:三協フロンテア柏スタジアム/三協F柏(建設機材・製造販売)
東京V:味の素スタジアム/味スタ
町田:町田市立陸上競技場/町田※
横浜FC:ニッパツ三ツ沢球技場/ニッパツ(日本発条/自動車部品製造)
甲府:山梨中銀スタジアム/中銀スタ(山梨中央銀行/銀行)
新潟:デンカビッグスワンスタジアム/デンカ(総合化学品メーカー)
金沢:石川県西部緑地公園陸上競技場/石川西部※
岐阜:岐阜メモリアルセンター長良川競技場/長良川※
京都:京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場/西京極※
岡山:シティライトスタジアム/Cスタ(中古車・新車販売)
山口:維新みらいふスタジアム/みらスタ(住宅総合商社)
徳島:鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム/鳴門大塚(医薬、食料製造)
愛媛:ニンジニアスタジアム/ニンスタ(オフィス用品通販)
福岡:レベルファイブスタジアム/レベスタ(ゲームソフト開発)
長崎:トランスコスモススタジアム長崎/トラスタ(ITアウトソーシング)
鹿児島:白波スタジアム/白波スタ(薩摩酒造/酒造メーカー)
琉球:タピック県総ひやごんスタジアム/タピスタ(医療法人)
ネーミングライツ導入:17/22