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<白熱座談会>
甲子園史上最強公立高を探せ。
~永野元玄/小野塚康之/かみじょうたけし~
text by

芦部聡Satoshi Ashibe
photograph byNanae Suzuki
posted2018/08/09 07:00

左から小野塚康之さん、永野元玄さん、かみじょうたけしさん。
小野塚康之 1980年にNHKに入局して、最初の赴任先が鳥取県でした。県大会の出場校は当時も今も二十数校で、そのほとんどが公立です。公立と私立の違いを意識することは少なくて、夏の甲子園に過去6回出場している倉吉北(鳥取)が「そういえば私立だったな」と、あとで気づく程度。だから「私立が有利で、公立は不利」という単純な色分けは納得できないなあ。
かみじょうたけし でも、私立のほうが環境面で恵まれている学校が多いのはたしかですよ。練習時間を多く取れたり、豊富な予算でプロ並の設備をそろえたりしてね。
永野元玄 学校経営的な視点で見ると、野球にはPR効果がある。甲子園に出ればマスコミが好意的に取り上げてくれて知名度は上がるし、学費を出す親御さんも「あの学校に行きなさい」となりますからね。
かみじょう 「この学校は県外出身者の部員ばかりだから応援したくない」とかたまに聞きますけど、小さいこと言うなや! と思いますよ。天才的に数学ができる高校生が海外留学したら凄いと誉められるだろうに、なんで野球はあかんねん! と。
小野塚 このあいだ富山県の事情を聞いたんですけど、有力私立校が声をかけるレベルの上手い子でも、あえて地元の公立を選ぶ子が増えてきていると。富山商業(富山)なんかは学業にも力を入れているから、甲子園を目指しつつ、受験勉強もできて一挙両得(笑)。少子化時代ならではの公立回帰という現象も一部では起きています。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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