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安定しない横浜ビーコルの守備。
新HCの改革はいつ実を結ぶか。
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph byB.LEAGUE
posted2018/11/02 11:00
ロスターの半分以上が新加入選手となった今季の横浜。チームの完成度をどれだけ早く高められるかが鍵になる。
なぞる段階から「読み」の段階へ。
ただ、シーズンは長い。こういった残念な結果の後に自分たちがどう対応していくか、そこにチームとしての色が出る。先週は24点ダウンから勝ち、今日は22点アップから負けている。その両方を経験したことは次に活かすことができると思っている」
目先の結果を必要以上に追い求めないのは、長いキャリアで複数のチームを渡り歩いてきた竹田も同じ。大きなステップアップには時間も労力も要するということを、竹田は理解している。
「今はまだディフェンスのルールを覚えて、それをなぞっている段階。そこに『読み』がプラスされてくると先手、先手で効く良いディフェンスになる。1年かかるのか、2カ月でできるようになるのかはわかりませんが、やり込んでいって成功体験を積み重ねるしかないと思います」
「完成度はまだ20から30%」
竹田と同様に、かつてウィスマンHCとともに優勝の栄光に浴したのが川村卓也だ。
リンク栃木の優勝当時、並みいる外国籍選手を抑えて3年連続でリーグ得点王のタイトルも獲得した川村は、この横浜でもチームの大黒柱として強い影響力を持っている。
その意味では、ウィスマンHCのフィロソフィーをチームメートに伝えるという川村の役割は特に重要度が高く、本人もその自覚は強い。
「過去に長く一緒にやっているので、竹さん(竹田)同様にトム(ウィスマンHC)がやりたいバスケットは誰よりも理解している。そういう意味では周りにいろいろ伝えられる部分は多いのかなと思います。
本来はこんなにゾーンディフェンスをやりたいとは思っていないだろうし、マンツーマンをもっと徹底してやりたいと思っているはずなので、完成度はまだ20から30%くらい。理解度のレベルはまだ低いし、言われたことに素直に反応できるバスケットIQは個人個人が培っていくしかない」