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渡邊雄太「ただの夢から目標に」
NBAデビュー2年前の手記と決意。
posted2018/11/05 07:00
text by
渡邊雄太Yuta Watanabe
photograph by
Shizuka Minami
こんにちは。ジョージ・ワシントン大学所属の渡邊雄太です。僕がアメリカに行くことを考えだしたのは、高校2年生の冬に出場したウインターカップがきっかけでした。
この大会に尽誠学園の一員として挑み、学校としても初めて準優勝をすることができました。
当時無名だった自分は、そこで多くの人に名前を知ってもらうことができ、周りの人たちからアメリカに関する話を度々されるようになりました。それまではアメリカへ行くことを全く意識していなかったのですが、そこから少しずつアメリカに興味を持ち始め、親や高校の恩師ともたくさん話をし、自分自身でもすごく悩んだ結果、アメリカへ行くことを決意しました。
それまでアメリカへは一度も行ったことがなく、英語も全く喋れませんでした。高校から寮生活をしていたので、親元を離れた生活に慣れてはいましたが、アメリカと日本というすぐに会えるような距離ではなく、ましてや文化が全く違うアメリカ人との共同生活なので、アメリカでの寮生活は想像もつきませんでした。
英語が下手でもすぐに仲良く。
英語力がない自分がみんなと仲良くできるのか、食事はしっかりとれるのか、ホームシックになったりしないか、いろんな不安がありました。
ただ、そんな不安をかき消すくらい、アメリカに渡りバスケットができるということがとても楽しみだったのを覚えています。
小学1年生からバスケットを始め、昔からずっとバスケットと共に生きてきた自分にとって、アメリカというのは憧れであり、夢であり、そして目標でもありました。そのアメリカへ行き、プレーができるというのはとても幸せなことで、ものすごくわくわくしていました。
僕が最初に通った学校は、コネチカット州にある、St. Thomas More Schoolというプレップスクールで、post-graduate studentとして入学しました。
心配していた私生活の面では、英語が下手な自分にもみんながすごく優しく接してくれたので、周りとすぐに仲良くなることができ、楽しい毎日を送りました。