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安定しない横浜ビーコルの守備。
新HCの改革はいつ実を結ぶか。
posted2018/11/02 11:00
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph by
B.LEAGUE
Bリーグになってからの過去2シーズン、いずれも残留プレーオフ出場という苦汁を飲まされながらも、土俵際でB1の舞台に踏みとどまってきた横浜ビー・コルセアーズ。
捲土重来を期す今シーズンは、昨シーズン中にアドバイザーとして迎え入れたトーマス・ウィスマンをヘッドコーチに据え、さらにはかつてウィスマンと同様に日本代表でヘッドコーチを務めたこともある河内敏光をスーパーバイザー兼ゼネラルマネージャーとして招聘。昨シーズンまでの悔しさを晴らすべく、新シーズンに臨んだ。
しかし、2シーズン続けて残留プレーオフで激突した富山グラウジーズのオフェンスになす術なく連敗を喫すると、第3節まで白星なしの5連敗。それも5試合すべて80失点以上と、ディフェンスに課題があるのは明らかだった。
JBLいすゞ自動車時代に小浜元孝HCの右腕として“いすゞ王朝”を築いたウィスマンは、その後HCとしてリンク栃木ブレックス(チーム名は当時)をJBL初優勝に導き、Bリーグ初代王者の座を栃木にもたらした人物。
強度の高いディフェンスを軸としたバスケットスタイルで結果を残してきた。もちろん、今率いている横浜でもベースとなる戦い方は変わらない。それだけに、開幕5連敗はその結果以上に内容面で不満が多かったはずだ。
日替わりでいろんな問題が起きる。
リンク栃木時代にウィスマンとともに戦い、そのフィロソフィーや戦略を熟知しているのが竹田謙だ。リンク栃木で一度現役を退き、2シーズンのブランクを経て一昨シーズン横浜で現役復帰した。40歳を迎えた今も、ディフェンスから速攻に参加するプレースタイルは変わらず、ウィスマンHCの理想とするバスケットスタイルに合致した選手。その竹田から見て、リンク栃木時代と今の横浜は何がどう違うのか。
「メンバーも違うので単純な比較はできないですが、コーチとしてはディフェンスの強度はもう少し上げたいし、こういうふうに守りたいというところをもっと徹底したいというのはあると思います。
今はオフェンスも含めてやるべきことがよくできている日もあれば、崩れてしまう日もあり、波がある状態。『今日はリバウンドがダメだった』とか『ピックの守り方がよくなかった』とか、日替わりでいろんな問題が起きている。何が良くないのかはその都度選手たちも理解しているんですが、何か1つできたと思ったら別の何か1つができないとか、いろんなところに穴が開いている感じです」