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安定しない横浜ビーコルの守備。
新HCの改革はいつ実を結ぶか。
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph byB.LEAGUE
posted2018/11/02 11:00
ロスターの半分以上が新加入選手となった今季の横浜。チームの完成度をどれだけ早く高められるかが鍵になる。
ゾーンDFの外から打ち抜かれた。
第4節の滋賀レイクスターズ戦では、1戦目で今シーズン初めて失点を80点未満に抑え、待望の白星。翌日の同カードは最大24点のビハインドから逆転して連勝を果たした。
勝因は、第4クォーターの7失点という数字。ディフェンスの頑張りが生んだ連勝だったことは間違いない。しかし、続く第5節の新潟アルビレックスBB戦で横浜のディフェンスは再び綻びを見せる。
新潟は昨シーズン得点王のダバンテ・ガードナーを中心としたオフェンス型のチームだが、ガードナーに次ぐ得点源のラモント・ハミルトンが試合開始のジャンプボールで負傷するアクシデントに見舞われ、外国籍選手がガードナー1人という不利な状況に追い込まれていた。
対する横浜は、外国籍選手2人の他に帰化選手のエドワード・モリスをスターター起用する、いわゆる“オンザコート3”の布陣。新潟の“オンザコート1”に対して優位に立ったはずだったが、インサイドの守りを固めるためのゾーンディフェンスを攻略されて88失点。
新潟の2ポイント成功率は実に73.1%にのぼり、3ポイント成功率も40%超え。ウィスマンHCも「ハーフコートバスケットの得意な新潟の戦い方を完璧にやられてしまった」と振り返る。
「我々のゾーンディフェンスは本来なら3ポイントラインまでカバーできるディフェンスだが、まだその形が完成していない。ハミルトンがベンチに下がったことで相手の3ポイントが増え、かえって我々のゲームプランが崩れてしまった部分はある。ただ、ガードナーにボールを触らせないようにゾーンを敷いたにもかかわらず、39得点と彼を止められなかったことが一番大きな問題だ」
22点リードをひっくり返される。
サンロッカーズ渋谷のホームに乗り込んだ第6節は、10月27日に行われた1戦目に勝利。開幕から得点力不足に悩まされ、1勝7敗と横浜以上に苦しんでいたSR渋谷が相手とはいえ、ゾーンとマンツーマンのディフェンスの切り替えが奏功し、少ないファウルでしっかり守りきった白星だった。
ところが翌日の2戦目は、前日の勢いのままに一時は22点までリードを広げながら、第3クォーターで6得点しか奪えず、第4クォーターは25失点で試合をひっくり返された。
それでも、ウィスマンHCは「学びのチャンス」とポジティブにとらえる。
「強度の持続がこのチームの課題。良いハーフタイムを迎えたが、そこで選手たちに話したのは前半だけで満足しないこと、昨日の1勝で満足してはいけないということ。それでも我々は人間なので、どこかしら安心してしまった部分があった。