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桜庭和志、所英男、中村大介の挑戦。
映画の声優に「最後はノリノリ」。
posted2018/10/11 16:30
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Yuki Suenaga
桜庭和志、所英男、中村大介の3選手が声優に初挑戦した映画『ムタフカズ』が、渋谷のシネクイントをメイン館として、10月12日に公開される。今回はその公開を記念して、3人による座談会が実現。所がまさかの“名演技”を披露した収録の舞台裏から、3人の格闘哲学までを語り合う、ディープな"3WAYマッチ"が始まった。
――『ムタフカズ』での声優のオファーをもらったときの率直な感想は?
桜庭 絶対難しいと思いましたよ。だって台本を見ながら、同時に画面のキャラクターの口の動きに合わせて話さないといけないから。そこでキャラクターの感情を表現するのは、難しいだろうなって。
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中村 僕も、まさかあんなにちゃんとしたスタジオで、本当にやるとは思っていなかった。ちょっと緊張しちゃいましたね。
所 ほんと、スタジオが本格的すぎてビックリしましたよね。
中村 でも、所さんに全部もっていかれました。
桜庭 そうそう。最初、プロレスのシーンを収録するときは「僕、プロレスをやったことがないんで、感情を出せと言われてもできません」とか言いながら、最後には鼻歌を歌ってましたからね。
所 桜庭さんと中村さんがスタジオで実際にプロレスをやりながら収録しているのを、離れて見ていて。どんな感じで入っていいのか、わからなかったんですよ。最後はノリノリになっちゃいましたけど(笑)。
――映画では、桜庭さん演じるエル・ディアブロが、覆面レスラー軍団「ルチャ・ウルティマ」のボスという設定です。実際の御三方は、どんな関係性ですか。
所 まさに、映画と一緒です。
桜庭 え? 俺、ボスじゃないよ。ただ年齢が上なだけで、練習では、やって・やられての関係性なので。2人はたまに技のことを聞いてくるんですけど、俺が教えるだけじゃなくて、そっちも教えてよ。俺にできないことを知ってるじゃんって。
中村 たしかに自分や所さんの師匠と比べると、桜庭さんに“ボス感”はないです。すごく柔らかい印象ですね。
所 桜庭さんは、僕が格闘家になる前からものすごく見ていた方なので、今でも緊張はするんですけど、接しやすい。変な話ですけど、気軽に電話できます。普通、先輩に電話するときって、「どうしよう」って思うじゃないですか。でも、桜庭さんに用事があるときは、さっと電話できる。