ロシアW杯PRESSBACK NUMBER
W杯の引き分けを本気で調べてみた。
32カ国制以降で一番多い国はどこ?
posted2018/06/30 07:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Getty Images
西野朗監督率いる日本代表が、2010年南アフリカ大会以来となる決勝トーナメント進出を決めた。グループリーグ最終戦のポーランド戦前、こんな勝ち上がり条件をよく耳にしなかっただろうか。
「引き分けでもOK」
聞こえだけなら簡単そうだ。しかしポーランド戦の日本を思い出せば、そのタスクは難しいものだと痛感した人は数多いだろう。
では実際、W杯で引き分けってどのくらい起こるものなのか?
今大会は全体で見ても引き分けは少ない気がするし、スコアレスドローが1試合しかなかった。そもそも今大会最初の引き分けが「スペイン3-3ポルトガル」の壮絶な撃ち合いだったのが、この傾向を暗示していたのかもしれない。
そこで、現行の32カ国制になったフランス大会からロシア大会まで、引き分けに終わった試合についてチェックした。
決勝トーナメントはPK戦(記録上は引き分け扱い)で決着をつけるので、各大会グループリーグ48試合のうち何試合が引き分けだったかを調べた。そして、独断と偏見で印象的な引き分け試合、チームを抽出している。
3引き分けのチームが2カ国も。
<1998年フランス大会:16試合/48試合、スコアレス3試合>
(代表的な引き分け)
イタリア2-2チリ、チリ1-1オーストリア、チリ1-1カメルーン、オランダ0-0ベルギー、ベルギー2-2メキシコ、ベルギー1-1韓国
グループリーグ全試合のうち、3分の1が引き分けだった。日本が初出場だったので、そっちに意識がいって気づかなかったのかもしれないが……。チリとベルギーはどちらも3引き分け。チリは当時南米最強と言われたサラス&サモラーノの決定力を前面に、初戦のイタリア戦で撃ち合いを演じるなど、グループステージを2位突破した。
その一方でベルギーは、オールドスタイルの司令塔として知られたシーフォ、4年後に日本が対戦したヴィルモッツらを擁したが敗退。明暗がくっきり分かれているが、引き分けがプラスなのかマイナスなのかは微妙なところだ。