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鈴鹿GP契約満了、30回目の岐路。
アメリカで複数開催の来年は?

posted2018/05/20 17:00

 
鈴鹿GP契約満了、30回目の岐路。アメリカで複数開催の来年は?<Number Web> photograph by Getty Images

人数が減ったとはいえ、世界でも指折りに熱心な鈴鹿のファン。30回目の鈴鹿GPに朗報は届くだろうか。

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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Getty Images

 5月10日、アメリカ・フロリダ州のマイアミ市委員会が、F1に関する発表を行なった。

「マイアミ市委員会は、2019年から2028年にかけてF1マイアミGPを開催するための契約をF1側と合意する決定を下した。さらにマイアミ市内にF1レースサーキットを建設することを支援することを満場一致で可決した」

 この発表は、F1の歴史に新たな1ページが加わるという点で明るい話題となったが、同時にさまざまな波紋を呼んだ。

 まず、アメリカ国内だ。現在、アメリカではテキサス州オースティンでアメリカGPが開催されている。

 過去にもF1がアメリカで1年に2度開催されていた時期はあり、今回のマイアミGP誕生自体は、現在アメリカGPを開催しているサーキット・オブ・ジ・アメリカのボビー・エプステインも「アメリカ国内でF1のレースが増えることは、F1の認知度が低いアメリカでは相乗効果が得られる」として歓迎している。

10月開催に見え隠れする駆け引き。

 問題は、その時期。フロリダ側が開催を希望している「10月」は、現在アメリカGPが開催されている期間と同じ。エプステインが懸念を抱くのも当然だ。そこに、開催権料を巡って駆け引きを行おうというF1側の意図が見え隠れする。

 このアメリカ国内でのF1開催を巡る攻防は、実はF1を開催しているほかの国にとっても目が離せない問題だ。

 それは今シーズン限りで契約が満了するグランプリが3つあるからだ。ひとつはホッケンハイムリンクで行われているドイツGP。もうひとつはスパ-フランコルシャンで開催されているベルギーGP。

 そして、鈴鹿での日本GPだ。

【次ページ】 ベッテルとホッケンハイムの思い出。

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